平成28年度 春期 ITパスポート試験 問38 解説 サービスデスクの評価
システムの利用者からの問合せを電話で受け付けるサービスデスクのサービスレベルを評価するための項目の例として,適切なものはどれか。
- ア サービスのコスト
- イ システム障害の件数
- ウ システムの可用性
- エ 問合せの応答待ち時間 ✓ 正答
解説
サービスデスクの評価指標を見極める
この問題は、サービスデスクという部門が「何に対して責任を負っているか」を考えることで正解を導き出せます。サービスデスクの目的は、利用者からの問い合わせに迅速かつ適切に対応し、利便性を高めることです。そのため、評価項目も「利用者がどれだけ待たされたか」「どの程度つながりやすいか」といった、利用者側の体験を数値化した指標が適切です。
サービスレベル管理(SLM)の考え方
ITサービスマネジメントにおけるサービスレベル管理(SLM)とは、利用者と合意した品質(サービスレベル)を維持し、向上させるための活動を指します。
サービスデスクの場合、単にシステムの不具合を直すことだけが仕事ではありません。問い合わせに対して、どれだけ迅速に窓口が対応できたかが評価の対象となります。 選択肢のエである「応答待ち時間」は、まさに利用者が電話をかけてからオペレーターにつながるまでのストレスを数値化したものであり、サービス品質を測る直接的な指標となります。
一方、他の選択肢が不適切な理由は以下の通りです。
ア:サービスのコストは、経営的な観点や予算管理には重要ですが、利用者に対するサービス品質を直接測る指標ではありません。 イ:システム障害の件数は、システム開発部門や運用部門の評価項目には適していますが、サービスデスクの対応品質とは別の次元の話です。 ウ:システムの可用性は、システムそのものが稼働している割合を指します。これはシステム自体の信頼性を示すものであり、問い合わせ窓口であるサービスデスクの評価指標としては間接的すぎます。
実務におけるKPI設定
サービスデスクを運用する際、実務では以下のようなKPI(重要業績評価指標)がよく使われます。
・応答率:着信した電話のうち、何%をオペレーターが応答できたか。 ・平均応答時間(ASA):電話が着信してからオペレーターにつながるまでの平均時間。 ・一次回答率:専門の担当者にエスカレーション(転送)せず、最初の窓口でどれだけ解決できたか。
これらはすべて、利用者を待たせないことや、一度の連絡で問題を解決することを重視した設計になっています。ITパスポート試験では、このように「システムの機能」と「サービスの提供プロセス」を分けて考えることが合格への近道です。