平成28年度 春期 ITパスポート試験 問75 解説 デュアルシステムの定義
デュアルシステムの特徴を説明したものはどれか。
- ア 同じ処理を行うシステムを二重に用意し,処理結果を照合することで処理の正しさを確認する方式であり,一方に故障が発生したら,故障したシステムを切り離して処理を続行する。 ✓ 正答
- イ 同じ装置を2台使用することで,シンプレックスシステムに対し,処理能力を2倍に向上させることができる。
- ウ オンライン処理を行う現用系システムと,バッチ処理などを行いながら待機させる待機系のシステムを用意し,現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え,オンライン処理を起動してサービスを続行する。
- エ 複数の装置を直列に接続し,それらの間で機能ごとに負荷を分散するように構成しているので,処理能力は高いが,各機能を担当する装置のうちどれか一つでも故障するとサービスが提供できなくなる。
解説
信頼性向上技術におけるキーワードで判断する
この問題は、システム構成に関する用語「デュアルシステム」の定義を問うものです。ポイントは、システムを二重化する際の「目的」と「動き」にあります。
正解のアは、「同じ処理を二重に行い、結果を照合する」という点がデュアルシステム最大の特徴です。このキーワードが出てきたら、迷わずデュアルシステムを選びましょう。
デュアルシステムとデュプレックスシステムの違い
ITパスポート試験では、似たような言葉で構成が異なる「デュアルシステム」と「デュプレックスシステム」を混同させようとする問題が頻出します。以下の表のようなイメージで整理すると間違いがなくなります。
| 用語 | 処理の仕組み | 主な目的 |
|---|---|---|
| デュアルシステム | 2つの系で同じ処理を同時に行い、結果を照合する | 処理の正確性(高信頼性) |
| デュプレックスシステム | 現用系が処理を行い、待機系は停止または別処理を行う | 障害時の切り替え(可用性) |
デュアルシステムは、2つの計算機が常に同じ計算結果を出すことを監視しています。もし計算結果が一致しなければ、どちらかの装置が故障したと即座に判断できます。そのため、非常に高い信頼性が求められる航空管制や銀行の基幹システムなどで採用されます。
一方、選択肢ウで説明されているのはデュプレックスシステム(ホットスタンバイ方式)です。こちらは、故障したときにシステムを切り替えることでサービスを継続する構成であり、常に結果を照合するわけではありません。
なぜこの知識が重要なのか
実務の世界では、システムが止まらないこと(可用性)や、誤った計算結果を出さないこと(信頼性)が非常に重要です。
例えば、金融システムで振込処理を行う際、デュアルシステムのように結果を照合する仕組みがあれば、仮にハードウェアの突発的な故障で計算ミスが起きても、照合時に不一致が検知され、誤った送金が実行されるのを防げます。
試験対策としては、「デュアル(Dual)=二重」という言葉だけでなく、「照合して正しさを確認する」という動作がセットであると理解しておくことが合格への近道です。
障害対策のバリエーション
システムを二重化する目的は、単に「予備を用意する」だけではありません。
- 信頼性を追求するなら:デュアルシステム(照合して間違いを防ぐ)
- 可用性を追求するなら:デュプレックスシステム(故障したら切り替えて継続する)
- コストと性能のバランスを考えるなら:ロードバランシング(複数台で負荷を分散する)
このように、システム開発の現場では、予算や求められる重要度に応じて最適な構成を選択する必要があります。試験では、それぞれの仕組みが「何を解決するためのものか」という目的意識を持って用語を覚えるようにしましょう。