平成29年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問100 解説 OSSの定義とライセンス
OSS (Open Source Software) に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
- ア 高度な品質が必要とされる, 医療分野などの業務での利用は禁じられている。
- イ 様々なライセンス形態があり, 利用する際には示されたライセンスに従う必要がある。 ✓ 正答
- ウ ソースコードがインターネット上に公開されてさえいれば, 再頒布が禁止されていたとしてもOSSといえる。
- エ 有償で販売してはならない。
解説
この問題は、OSSの定義とルールに関する正確な理解を問うものです。ポイントは、OSSは誰でも自由に利用できるソフトウェアですが、決して「著作権が放棄されているもの」や「ルール無用」ではないという点です。選択肢イが正しい理由は、OSSにはGPLやMIT、Apacheライセンスなどの種類があり、それぞれのライセンスで「著作権表示の保持」や「派生ソフトウェアもOSSとして公開すること」などの条件が定められているためです。
OSSの理解を深めるために、なぜ他の選択肢が誤りなのかを整理します。
選択肢アについて OSSは現在、医療機関のシステムや銀行の勘定系システム、宇宙開発など、高度な信頼性が求められる分野でも広く活用されています。利用が禁じられることはありません。
選択肢ウについて OSSの定義には、ソースコードの公開だけでなく、そのソフトウェアを自由に再頒布(再配布)できることや、派生ソフトウェアの作成を許可することなどが含まれます。したがって、再頒布が禁止されているソフトウェアは、たとえソースコードが公開されていたとしても、OSIが定義するオープンソースには該当しません。
選択肢エについて OSSを販売すること自体はライセンス違反ではありません。実際、特定のOSSをベースにした製品を企業がサポート付きで有償販売するビジネスモデルは非常に一般的です。ただし、ライセンス条件によっては「再頒布する際にはソースコードの公開義務がある」といった制約があるため、条件を守る必要があります。
OSSは、無償で利用できることがメリットとして語られがちですが、実務上は「ライセンスコンプライアンス(ライセンス順守)」が非常に重要です。開発現場では、社内でOSSを利用する際に、そのライセンスが自社のビジネスモデルに適合しているか(例えば、公開義務があるライセンスを商用製品に組み込んでいないかなど)を確認するプロセスが不可欠です。試験対策としては、「OSS=ルール(ライセンス)がある」「再頒布や商用利用は条件付きで認められている」という2点を押さえておきましょう。
- OSSライセンスの選び方(Open Source Initiative)
- OSSライセンスとは?種類別の特徴と選定・管理のポイント(キーマンズネット)