平成29年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問84 解説 グローバルIPアドレス
インターネットにサーバを接続するときに設定する IP アドレスに関する記述のう ち, 適切なものはどれか。ここで, 設定する IP アドレスはグローバル IP アドレス である。
- ア IP アドレスは一度設定すると変更することができない。
- イ IP アドレスは他で使用されていなければ, 許可を得ることなく自由に設定し, 使用することができる。
- ウ 現在使用しているサーバと同じ IP アドレスを他のサーバにも設定して, 2台同 時に使用することができる。
- エ サーバが故障して使用できなくなった場合, そのサーバで使用していた IP アド レスを, 新しく購入したサーバに設定して利用することができる。 ✓ 正答
解説
この問題は、グローバルIPアドレスがインターネットという広大なネットワークにおいて、世界中で唯一無二(一意)であるという性質を理解しているかを問うています。
正解の判断基準は「IPアドレスは機器そのものに固定されているのではなく、ネットワーク上の識別子として管理・設定可能なものである」という点です。
IPアドレスの仕組みと管理の考え方
グローバルIPアドレスは、インターネット上の住所に例えられます。同じ住所が世界に二つ存在すると、通信の宛先を特定できずパケットが迷子になってしまうため、インターネットに接続する際は、重複しないように厳格に管理されたアドレスを割り当てる必要があります。
選択肢ごとの解説
ア:IPアドレスは一度設定すると変更できないわけではありません。サーバーの移設やプロバイダの変更、あるいはネットワーク構成の変更に伴い、管理者の手によって適宜書き換えることが可能です。
イ:IPアドレスを自由に設定することはできません。グローバルIPアドレスは、ICANNやJPNICといった管理組織から割り当てられた正当な権利に基づいて使用する必要があります。勝手に割り当てると、他のネットワークと通信障害を起こしたり、不正利用とみなされたりします。
ウ:同じIPアドレスを同時に2台のサーバーに設定して運用することはできません。これは郵便でいえば、同じ住所の家が同時に2軒存在している状態です。ネットワーク機器はどれが正しい接続先か判別できなくなり、通信が正常に行えなくなります。この状態をIPアドレスの重複と呼び、ネットワーク管理上のトラブル原因となります。
エ:故障したサーバーから新しいサーバーへIPアドレスを引き継ぐことは一般的です。DNSの設定など、外部からのアクセス先としてそのIPアドレスが公開されている場合、新しいサーバーに同じアドレスを引き継ぐことで、利用者側はサーバーの入れ替えを意識することなくサービスを利用し続けることができます。
実務におけるIPアドレスの運用
システム管理の現場では、サーバーのメンテナンスやリプレイスが頻繁に行われます。特にWebサーバーやメールサーバーなど、インターネットから直接参照される機器は、IPアドレスが変わると接続先設定の修正が広範囲に及ぶため、古いサーバーの設定を引き継いで運用する設計がよくとられます。
また、クラウド環境ではIPアドレスの解放や再割り当てがプログラムから行えるようになっていますが、それでもグローバルIPアドレスが「重複してはいけない一意の値である」という大原則は変わりません。試験では、IPアドレスはデバイスの特性ではなく、ネットワークを構成するための「設定項目の一つ」であると捉えておくのが正解への近道です。