平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問76 解説 バイオメトリクス認証
バイオメトリクス認証に関する記述a~cのうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。 a 認証装置が大型なこともあり,ノートPCや携帯端末では利用されない。 b 利用者にとってパスワードを記憶する負担がない。 c 利用者の身体的特徴や,筆圧などの行動上の特徴を利用している。
- a
- a, b
- a, c
- b, c ✓ 正答
解説
この問題は、バイオメトリクス認証(生体認証)の定義と現代の技術動向を正しく理解しているかを問う内容です。選択肢の正誤判断には「現在のテクノロジーの普及状況」と「生体認証の仕組み」という2つの視点が必要です。
選択肢aは誤りです。かつてのバイオメトリクス認証は特殊な装置が必要で大型でしたが、現在は指紋認証センサーがキーボードや電源ボタンに組み込まれたり、インカメラによる顔認証がスマートフォンに標準搭載されたりと、小型化・低コスト化が劇的に進んでいます。したがって、ノートPCや携帯端末で利用されないという記述は現代の実態に即していません。
選択肢bは適切です。パスワードや暗証番号は、忘れないように管理する負担や、他人に盗み見られるリスクが伴います。一方、バイオメトリクス認証は自分自身の身体そのものを鍵にするため、記憶する必要がなく、利便性とセキュリティを両立できるという大きなメリットがあります。
選択肢cは適切です。バイオメトリクス認証には大きく分けて2つの分類があります。一つは指紋、虹彩、静脈などの「身体的特徴」を利用するもの。もう一つは、署名の筆圧や運筆の速さ、タイピングの癖、歩容(歩き方)といった「行動的特徴」を利用するものです。これらはどちらも個人特有のものであり、本人確認の根拠として利用されます。
バイオメトリクス認証の知識は、ITパスポートの試験対策としてだけでなく、実社会におけるセキュリティ意識を高めるためにも重要です。パスワードの使い回しによる情報漏洩事故が多発する中、システム設計者やユーザー双方にとって、生体認証は身近な「多要素認証」の一翼を担う重要な手段となっています。試験では、認証技術の分類だけでなく、それぞれの認証方式が持つメリット・デメリット(偽造の可能性、認証精度のばらつきなど)をセットで押さえておくと、より深い理解につながります。
バイオメトリクス(生体認証)とは?(総務省 国民のための情報セキュリティサイト) 生体認証(Wikipedia) ITパスポートの出題範囲:認証技術について(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)