平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問87 解説 E-R図の定義
E-R図に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア 構造化プログラミングのためのアルゴリズムを表記する。
- イ 作業の所要期間の見積りやスケジューリングを行い,工程を管理する。
- ウ 処理手順などのアルゴリズムを図で表記する。
- エ データベースの設計に当たって,データ間の関係を表記する。 ✓ 正答
解説
E-R図という名称の「E」はEntity(実体)、「R」はRelationship(関連)の頭文字です。この図はデータベースの設計図そのものであると理解しておけば、迷わず正解を選べます。他の選択肢はすべて別の手法を指しているため、消去法でも正解に辿り着けます。
E-R図が表すもの
E-R図は、システムの中でどのようなデータを扱うのか、そしてそれらのデータ同士がどのような関係にあるのかを視覚的に整理するための手法です。たとえば「顧客」というデータと「注文」というデータがあったとき、一人の顧客が複数の注文をするのか、あるいは一対一の対応なのかといったルールを整理します。
この図を作る目的は、プログラムを書く前にデータの構造を明確にすることです。データの持ち方(テーブルの設計)が不適切だと、後からシステムを修正するのが非常に困難になるため、開発の初期段階でE-R図を作成して関係者間で認識をすり合わせます。
各選択肢の解説
アとウは、プログラムの処理手順を指す言葉です。アルゴリズムや処理フローを図にする手法としては、フローチャートや構造化チャート(NSチャートなど)が有名です。これらは「何をするか」という手順を記述するものであり、データそのものの関係を示すE-R図とは目的が異なります。
イは、プロジェクト管理の手法を指しています。作業の期間やスケジュールを管理するために用いられる代表的なツールには、ガントチャートやアローダイアグラム(PERT図)があります。これらもシステムの開発過程では必須ですが、E-R図が扱う「データの構造」とは別の領域です。
実務での活用と試験の意図
実務において、システム開発は「データ設計」と「処理設計」の両輪で進みます。E-R図はデータ設計の要となる非常に重要なドキュメントです。ITパスポート試験においてこの問題が出題される意図は、受験者が開発手法ごとの「役割分担」を理解しているかを確認するためです。どの図が「データ」のためのもので、どの図が「手順」や「スケジュール」のためのものかという区別ができるようになることは、ITの現場で設計書を読み解くための第一歩となります。
E-R図|Wikipedia データベースの設計手法「E-R図」とは?|ITトレンド 【ITパスポート】E-R図の基礎知識|YouTube