平成30年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問69 解説 S/MIMEの概要
電子メールで使用されるS/MIMEの説明として,適切なものはどれか。
- ア Webサイト上で電子メールの送受信を行うことで,利用者がWebブラウザから利用できるサービスである。
- イ 電子証明書を使用して,メールソフト間で電子メールを安全に送受信するための規格である。 ✓ 正答
- ウ メールサーバ間で電子メールを転送するためのプロトコルである。
- エ メールソフトが電子メールを受信するためのプロトコルである。
解説
S/MIMEのキーワードは「メールのセキュリティ」です。選択肢の中から、セキュリティ機能(暗号化、署名)に関連するものを選べば正解にたどり着けます。
S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)は、電子メールに暗号化と電子署名の機能を付加する規格です。公開鍵暗号方式を利用して、以下の2点を実現します。
- 暗号化:メールの内容を第三者に盗み見られないようにする
- 電子署名:メールが改ざんされていないことの証明と、送信者が本人であることの証明(なりすましの防止)
電子メールは通常、平文で送られるため、途中の経路で盗聴や改ざんが起こるリスクがあります。S/MIMEはメールソフト上で機能するため、送信者から受信者のメールボックスまで、一貫してセキュリティを担保できるのが特徴です。
ITパスポート試験において、S/MIMEはメール関連のセキュリティ対策として頻出です。特に「公開鍵暗号」とセットで覚えましょう。送信者が受信者の公開鍵で暗号化すれば「機密性」が保たれ、送信者が自身の秘密鍵で署名すれば「完全性」と「真正性」が確保されます。
他の選択肢を整理すると、それぞれの役割が明確になります。
アは「Webメール(GmailやOutlook Web Appなど)」の説明です。Webブラウザさえあればどこからでもアクセスできる便利なサービスですが、S/MIMEとは技術的なレイヤーが異なります。
ウのメールサーバ間で転送するためのプロトコルはSMTPです。メールを届けるための「郵便屋さんのトラック」のような役割を担います。
エのメールソフトが受信するためのプロトコルはPOPやIMAPです。これらは「私書箱から手紙を取り出す」作業を指します。
試験では「S/MIME=セキュリティ規格」という直球の知識だけでなく、SMTP、POP、IMAPといったプロトコルの役割と混同させようとする問題がよく出ます。セキュリティ対策なのか、送受信の仕組みなのかという切り口で整理しておくと、迷わず回答できるようになります。
- 電子メールのセキュリティ技術 - 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)