平成30年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問80 解説 直列システムの稼働率
稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムに, 同じ装置をもう1台追加して3台直列のシステムにしたとき, システム全体の稼働率は2台直列のときを基準にすると, どのようになるか。
- 10%上がる。
- 変わらない。
- 10%下がる。 ✓ 正答
- 30%下がる。
解説
この問題は、直列システムの稼働率を求める式にあてはめて計算し、その変化量を比較することで解けます。
稼働率0.9の装置を直列につなぐ場合、システム全体の稼働率は各装置の稼働率を掛け合わせることで求められます。
2台直列のときの稼働率は、 です。 3台直列のときの稼働率は、 となります。
次に、この2つの数値を比較して変化率を求めます。基準となる2台直列の稼働率0.81に対して、どれだけ減ったかを計算します。 変化分は です。 これを基準値で割ると、 となり、0.1はパーセントに直すと10%にあたります。したがって、10%下がることになります。
直列システムにおける稼働率の考え方
直列システムとは、すべての機器が正常に動いて初めてシステム全体が稼働する構成のことです。1つでも装置が故障すればシステム全体が停止するため、装置の数が増えるほど稼働率は必ず下がります。この問題のように0から1の間の数値を掛け合わせる計算では、掛ける回数が増えるほど結果は小さくなっていくのが特徴です。
一方で、並列システムの稼働率計算は考え方が異なります。並列システムは、いずれか1台でも稼働していればシステム全体が動くと見なされる構成です。この場合は、すべての装置が故障する確率(1 - 稼働率)を掛け合わせ、それを1から引くことでシステム全体の稼働率を求めます。
実務や試験における活用パターン
この概念は、システムの可用性を設計する場面で非常に重要です。ITパスポート試験では、可用性を高めるためにサーバーを冗長化(二重化)する際に、直列接続か並列接続かを判断する問題がよく出題されます。
「直列接続=壊れやすくなる(直列になるほど稼働率は下がる)」 「並列接続=壊れにくくなる(並列になるほど稼働率は上がる)」
という原則を覚えておくだけでも、多くの計算問題を論理的に解けるようになります。特に、故障率が高い機器を複数組み合わせる場合に、どのような構成にするのが最適かを判断する基礎的な知識となります。
- システムの信頼性 (直列と並列)|基本情報技術者試験の要点整理