令和元年度 秋期 ITパスポート試験 問96 解説 TCOの構成要素
販売管理システムに関する記述のうち, TCO に含まれる費用だけを全て挙げたものはどれか。 ① 販売管理システムで扱う商品の仕入高 ② 販売管理システムで扱う商品の配送費 ③ 販売管理システムのソフトウェア保守費 ④ 販売管理システムのハードウェア保守費
- ア ①, ②
- イ ①, ④
- ウ ②, ③
- エ ③, ④ ✓ 正答
解説
TCO(Total Cost of Ownership)の問題を解く際は、そのコストが「システムそのものを維持・管理するために発生するもの」かどうかを判断基準にしましょう。商品の仕入れや配送といった事業活動に伴う直接的な費用は除外し、ITシステムを動かし続けるための保守・運用費に注目するのがポイントです。
TCOとは TCOは日本語で「総保有コスト」と呼ばれます。コンピュータシステムの導入から運用、保守、廃棄に至るまで、そのシステムを利用するためにかかる費用の総額を指します。
この考え方の特徴は、購入時の価格(イニシャルコスト)だけでなく、導入後の維持にかかる費用(ランニングコスト)もすべて含めて評価する点です。今回の問題で挙げられている項目を整理すると以下のようになります。
・ソフトウェア保守費:システムの修正やアップデートなど、システムを正常に稼働させるための維持管理費なのでTCOに含まれます。 ・ハードウェア保守費:サーバーやPCの修理・点検など、物理的な機器を動かし続けるための費用なのでTCOに含まれます。 ・仕入高や配送費:これらは販売管理システムの「利用目的である業務」から発生する売上原価や販売費です。システムの維持管理とは無関係な事業上の経費であるため、TCOには含めません。
試験におけるTCOの出題パターン 情報システム部門の予算編成や、新システム導入時の採算性を評価する場面でよく登場します。試験で問われる際は、以下の2つの視点でコストを分類できるかがカギとなります。
- 導入時にかかる費用:ハードウェアやソフトウェアの購入費、開発費、教育訓練費など
- 運用中にかかる費用:保守費、ライセンス更新費、運用担当者の人件費、光熱費、設置場所の賃借料など
特にITパスポートでは、TCOの定義を理解しているか問う単純な問題から、ハードウェアの導入コストと保守コストのどちらがTCOに含まれるかという実務的な判断を求める問題まで出題されます。どのような項目がコストに含まれるのか、システム部門が支払う「維持費」という切り口で整理しておくと、迷わずに解答できるようになります。