ITパスポート試験 / 平成31年度 春期 ITパスポート試験 / 問54
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平成31年度 春期 ITパスポート試験 問54 解説 ソフトウェア保守

ソフトウェア保守に関する説明として,適切なものはどれか。

  1. ア 稼働後にプログラム仕様書を分かりやすくするための改善は,ソフトウェア保守である。 ✓ 正答
  2. イ 稼働後に見つかった画面や帳票の軽微な不良対策は,ソフトウェア保守ではない。
  3. ウ システムテストで検出されたバグの修正は,ソフトウェア保守である。
  4. エ システムを全く新規のものに更改することは,ソフトウェア保守である。

解説

この問題は、ソフトウェア開発のライフサイクルにおける保守の定義を正しく理解しているかを問うものです。ポイントは保守の対象が「システム稼働後」であることと、その目的が「システムの維持・改善」にあることを見極める点にあります。

ソフトウェア保守とは、システムが本番稼働を開始した後に、そのシステムを安定して利用し続けるために行うすべての修正や変更作業を指します。

選択肢アの通り、稼働後にプログラムの仕様書を読みやすく整理する作業は、将来的な保守性を高める「完全化保守」の一種であり、立派なソフトウェア保守の業務です。

一方、他の選択肢が誤りである理由は以下の通りです。

選択肢イについては、稼働後に見つかった不具合(バグ)の修正は、保守作業の典型である「是正保守」そのものです。したがって「保守ではない」という記述は誤りです。

選択肢ウについては、システムテストは「稼働前」の工程です。この段階で行うバグ修正は、開発工程における品質改善の一部であり、完成したシステムを運用・管理する段階である「保守」とは区別されます。

選択肢エについては、システムの新規更改は、既存の保守の範囲を大幅に超える大規模な変更であり、「再構築(リエンジニアリング)」や「新規開発」として扱われます。保守とは、あくまで現在稼働しているシステムの状態を維持・改善することに主眼が置かれます。

ソフトウェア保守は、その目的によって以下の4つに分類されることが一般的です。試験ではこれらの言葉もあわせて覚えておくと非常に強力な武器になります。

  1. 是正保守:稼働後に見つかったバグや誤動作を修正する。
  2. 適応保守:OSのアップデートや法改正など、外部環境の変化に合わせて対応する。
  3. 完全化保守:機能改善やプログラムの可読性向上など、ユーザーの要望や利便性のために手を入れる。
  4. 予防保守:将来起こりうる問題を防ぐために、プログラム構造を整理するなど、故障が発生する前に手を打つ。

実務においては、これらの保守作業はシステムが終了するまで継続して行われます。ITパスポートの試験でも、この「開発工程(要件定義からテストまで)」と「運用保守工程(稼働後)」の違いを明確に意識するだけで、正答率が大きく向上します。

  • 基本情報技術者試験の学習サイト「保守と運用」(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)

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