令和3年度 ITパスポート試験 公開問題 問42 解説 プロジェクト統合管理
システム開発プロジェクトにおいて,利用者から出た要望に対応するために,プ ログラムを追加で作成することになった。このプログラムを作成するために,先行 するプログラムの作成を終えたプログラマを割り当てることにした。そして,結合 テストの開始予定日までに全てのプログラムが作成できるようにスケジュールを変 更し,新たな計画をプロジェクト内に周知した。このように,変更要求をマネジメ ントする活動はどれか。
- ア プロジェクト資源マネジメント
- イ プロジェクトスコープマネジメント
- ウ プロジェクトスケジュールマネジメント
- エ プロジェクト統合マネジメント ✓ 正答
解説
プロジェクトマネジメントの知識エリアの中で、複数の要素にまたがる調整が必要なケースを見抜くことが、この問題を解く鍵です。
今回の問題では、利用者からの要望(スコープ)に対して、プログラマの配置(資源)を検討し、全体の納期を守るための日程(スケジュール)を変更しています。このように、プロジェクト内の複数の領域を横断的に調整し、変更を管理する活動は「プロジェクト統合マネジメント」に該当します。
プロジェクト統合マネジメントとは何か
プロジェクトマネジメントには、スコープ、スケジュール、コスト、品質、資源、リスクなど、多くの知識エリアが存在します。しかし、これらは独立して動いているわけではありません。例えば、スコープ(やること)が増えれば、当然スケジュール(納期)に影響が出たり、資源(人や道具)の追加が必要になったりします。
プロジェクト統合マネジメントは、これら個別の知識エリアをバラバラではなく、プロジェクト全体として調和させるための接着剤のような役割を果たします。プロジェクトの開始から終了まで、各プロセスのバランスを取りながら、発生した変更要求を「プロジェクト全体にとって最適か」という観点で評価し、承認、実行、コントロールする活動のことです。
試験での判断ポイント
この問題のように、特定の領域だけで完結しない変更が登場したときは、まず「統合マネジメント」を疑ってください。
選択肢にある他のマネジメントとの違いは以下の通りです。
プロジェクトスコープマネジメントは、何をやるか(範囲)の定義や管理に特化しています。 プロジェクトスケジュールマネジメントは、作業の順序や期限の管理に特化しています。 プロジェクト資源マネジメントは、人や機材などの調達や割り当てに特化しています。
本問は、「スコープの変更をきっかけに、資源の割り当てを調整し、スケジュールの計画を書き換える」という一連の判断を行っています。単一の領域ではなく、複数の領域にまたがって全体をコントロールしているため、プロジェクト統合マネジメントが正解となります。
実務では、変更要求があった際に安易に「納期を延ばします」「人を増やします」と個別に決定すると、コスト超過や品質低下を招く恐れがあります。統合マネジメントでは、その変更が全体の目標に対してどのような影響を与えるかを総合的に判断し、計画を修正して関係者に周知するというプロセスを非常に重視します。
- プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK)の概要
- IPA 情報処理推進機構 プロジェクトマネジメントの基礎知識