令和6年度 ITパスポート試験 公開問題 問56 解説 揮発性メモリ
PCにおいて,電力供給を断つと記憶内容が失われるメモリ又は記憶媒体はどれか。
- ア DVD-RAM
- イ DRAM ✓ 正答
- ウ ROM
- エ フラッシュメモリ
解説
この問題は、記憶媒体が「電源を切ったときにデータを保持できるか、できないか」という性質(揮発性か不揮発性か)を見分けることで正解を導けます。
揮発性と不揮発性の分類
メモリや記憶媒体は、電源を切った際に記憶内容がどうなるかによって大きく2種類に分類されます。
揮発性メモリ(電源を切るとデータが消える) 電源からの電力供給を前提として、高速に読み書きを行うためのメモリです。DRAMやSRAMがこれに該当します。PCのメインメモリ(主記憶装置)として使われるのは、このグループです。
不揮発性メモリ(電源を切ってもデータが残る) 長期的なデータの保存を目的とした記憶媒体です。電源を切っても内容を保持し続ける必要があるため、ハードディスク、SSD、フラッシュメモリ、各種ROMなどがこれに該当します。
選択肢の分析
問題文は「電力供給を断つと記憶内容が失われるもの(=揮発性メモリ)」を求めています。
- ア DVD-RAM:光ディスクの一種であり、電源を切ってもデータは保持されます(不揮発性)。
- イ DRAM:Dynamic RAMの略で、PCのメインメモリとして広く使われています。構造上、定期的なリフレッシュ動作が必要であり、電源を落とすとデータは瞬時に消えます(揮発性)。
- ウ ROM:Read Only Memoryの略で、読み出し専用のメモリです。基本的には書き換え不可、あるいは特殊な手順でのみ書き換えるものであり、電源を切ってもデータは保持されます(不揮発性)。
- エ フラッシュメモリ:USBメモリやSDカードなどに使われる技術です。電源を切ってもデータを保持できるため、補助記憶装置として適しています(不揮発性)。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験において、この区別を理解することはPCの仕組みを理解する第一歩です。
PCの動作を例に挙げると、私たちがPCで作業をしているとき、文書やアプリのデータはメインメモリ(DRAM)上に一時的に展開されます。これはDRAMが非常に高速に読み書きできるためです。しかし、DRAMは電源を切るとデータが消えてしまうため、作業結果を永続的に残したい場合は、ストレージ(SSDやHDDなどの不揮発性メモリ)に保存する必要があります。
実務においては、システムが起動しないトラブルやデータの消失問題に直面した際、「今どの場所にデータがあるのか(揮発性のメモリなのか、不揮発性のストレージなのか)」を切り分けて考える力が不可欠です。この知識は、単なる試験対策を超えて、コンピュータの基本動作の仕組みを論理的に整理するために非常に役立ちます。