令和7年度 ITパスポート試験 公開問題 問58 解説 DNSの役割
DNSの説明として,適切なものはどれか。
- ア IP ネットワークに接続しようとするコンピュータに,IP アドレスなどを自動的に割り当てるプロトコルである。
- イ ブラウザと Web サーバ間の通信を暗号化して,セキュリティを高めるために利用されるプロトコルである。
- ウ ホスト名やドメイン名と,IP アドレスを対応付ける仕組みである。 ✓ 正答
- エ ホスト名やドメイン名と,MAC アドレスを対応付ける仕組みである。
解説
DNSという単語は、Domain Name Systemの略称です。ITパスポート試験においてこの設問を解く際は、頭文字であるD(Domain)とN(Name)に注目し、ドメイン名(例: www.example.com)とIPアドレス(例: 192.0.2.1)を変換する仕組みであると即座に判断しましょう。
なぜDNSが必要なのか
インターネット上のコンピュータは、通信相手を識別するために数値の羅列であるIPアドレスを利用します。しかし、人間にとって192.0.2.1のような数値をすべて記憶してブラウザに入力するのは非常に困難です。そのため、人間は英単語からなるドメイン名を利用します。
DNSの役割は、人間が入力した分かりやすいドメイン名を、コンピュータが通信先を特定するために必要なIPアドレスに変換することです。この変換処理を「名前解決」と呼びます。
選択肢の用語を整理する
他の選択肢に含まれている技術も、試験では頻出のネットワーク用語です。混同しないよう、それぞれの役割を整理しておきましょう。
選択肢ア:DHCP IPアドレスやサブネットマスクなどの情報を、ネットワークに接続した端末に対して自動的に割り当てる仕組みです。カフェのWi-Fiなどに接続した際、自分で設定しなくてもすぐにインターネットが使えるのはこの仕組みのおかげです。
選択肢イ:HTTPS WebブラウザとWebサーバとの間の通信を暗号化するプロトコルです。URLの先頭がhttps://となっているサイトは通信が保護されており、データの盗聴や改ざんを防ぐことができます。
選択肢エ:ARP IPアドレスを元に、イーサネット上で機器を識別するためのMACアドレス(物理アドレス)を調べるためのプロトコルです。IPアドレスはネットワーク層、MACアドレスはデータリンク層の識別子であり、ネットワークの通信には両方の情報が不可欠です。
DNSが支えるインターネットの利便性
DNSの仕組みがなければ、私たちはWebサイトを見るたびに、そのサイトが管理しているIPアドレスを電話帳のように調べる必要があります。また、Webサイトの運営者がサーバを移転してIPアドレスが変わった場合、利用者は新しいIPアドレスを把握しなければなりません。
DNSの仕組みを使えば、ドメイン名はそのままに、裏側のIPアドレスだけをDNSサーバ上で書き換えるだけで済むため、利用者側は何も意識することなく、今まで通りドメイン名を入力するだけで目的のサーバにアクセスし続けることができます。このように、DNSはインターネットの柔軟性と利便性を支える縁の下の力持ちといえます。