令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問6 解説 デジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーションに関する説明として,最も適切なものはどれか。
- ア PCやスマートフォンなどのデジタル製品を使いこなせる人と,使いこなせない人の間で様々な機会に差が生じて,社会的な格差につながること
- イ 生まれた時からインターネット,PCやスマートフォンなどのデジタル製品が身近にあり,それらを利用しながら育った世代のこと
- ウ 音声を収集するマイクロフォンなどからのアナログ信号を,電子ファイルとして保存するためにデジタル信号に変換すること
- エ デジタル技術が,人間の生活やビジネスなどのあらゆる面に影響を与え,変革をもたらしていくこと ✓ 正答
解説
デジタルトランスフォーメーション(DX)の解き方
この問題は、アルファベットの略語が示す意味と、その定義を正しく紐付けられるかが鍵です。選択肢を一読し、各用語が指し示す言葉を即座に連想できるかが合格への近道です。正解の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が「変革(Transformation)」という言葉を含んでいることに着目し、選択肢の中から社会やビジネスが大きく変わる様子を描写したエを選ぶのが最も確実な判断基準です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か
デジタルトランスフォーメーションは、単に紙の書類を電子化したり、業務にパソコンを取り入れたりするような「IT化」とは異なります。DXの真髄は、デジタル技術を浸透させることで「人々の生活やビジネスのあり方を根本から変える」ことにあります。
例えば、店舗へ行かなければ購入できなかった商品が、ECサイトとAIによる配送最適化によって自宅に届くようになることや、タクシー配車アプリによって移動の体験そのものが変わるような現象がDXの好例です。技術が目的ではなく、技術を使って「どのような価値を生み出すか」「社会をどう再構築するか」という視点が重視されます。
他の選択肢に隠された重要キーワード
ITパスポート試験では、DX以外の選択肢にあるキーワードも頻出です。これらを整理しておくことで、他の問題が出た際にも得点源にできます。
アの「デジタルディバイド(情報格差)」は、デジタル技術を使える人と使えない人の間で生じる経済的・社会的な格差を指します。現代社会において情報収集力に差が出ることは、そのままキャリアや生活の質の格差に直結するため、非常に重要な社会課題です。
イの「デジタルネイティブ」は、幼少期からIT機器に囲まれて育った世代を指します。彼らにとってデジタル技術は特別なものではなく、空気のように自然なツールです。
ウの「AD変換(アナログ・デジタル変換)」は、音や光などの連続的なデータ(アナログ信号)を、コンピュータで処理できる数値データ(デジタル信号)に変換する技術のことです。身近なところではマイクによる音声入力などがこれにあたります。
実社会での活用
これらの知識は、単なる試験対策にとどまりません。企業のIT部門や企画職でDXのプロジェクトに関わる際、まずは現状が「IT導入(単なるデジタル化)」なのか「DX(変革)」なのかを区別する議論が必要です。用語を正確に使い分けることで、ビジネスにおける目的設定が明確になり、組織としての方向性を誤らない判断が可能になります。