令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問12 解説 業務プロセスの可視化
A社は,自社の業務プロセスの課題を抽出し,見直しをするために流れ図を用 いて業務プロセスを可視化することにした。A社が流れ図の作成において利用する記述様式として,最も適切なものはどれか。
- ア CRUD図 ✓ 正答
- イ DMM (Diamond Mandala Matrix)
- ウ E-R図
- エ WFA (Work Flow Architecture)
解説
設問の判断根拠
この問題は、業務プロセスを可視化・整理するために適した図法を選ぶ問題です。選択肢のうち、業務上のデータが「いつ(どのプロセスで)」「どのように(作成・参照・更新・削除)」扱われるかを一覧表形式で表現し、業務の整合性を検証できるのは「ア CRUD図」です。
CRUD図とは何か
CRUD(クラッド)とは、システムにおけるデータの基本的な4つの操作である、Create(作成)、Read(参照)、Update(更新)、Delete(削除)の頭文字をとったものです。
CRUD図は、縦軸に業務プロセス(または機能)、横軸にデータ項目(またはエンティティ)を配置したマトリクス図を作成します。それぞれの交点に、そのプロセスでどの操作が行われるかを記すことで、以下の事柄が可視化されます。
- データの生成元はどこか(Createを行うプロセス)
- どのデータがどのプロセスで使われているか(Readを行うプロセス)
- 業務プロセスに漏れや重複はないか
他の選択肢が誤りである理由
- イ DMMは、目標を達成するためのアイデアを整理するフレームワークであり、業務プロセスの可視化には使いません。
- ウ E-R図は、データ構造(エンティティ間の関係性)を可視化するものであり、業務の流れやプロセスの処理手順を表現するものではありません。
- エ WFAという用語は、標準的な業務分析手法の名称としては一般的ではありません(Work Flow Analysisであれば業務分析ですが、ITパスポート試験においてWFAとして選択肢になることはありません)。
なぜ業務プロセス分析でCRUD図が使われるのか
実際の現場では、システム開発の要件定義や、業務改善のプロジェクトにおいて「データ」を軸に考えることが非常に重要です。
例えば、「あるデータがどの部署でも作成されていないのに、参照だけされている」という状態があれば、その業務プロセスには重大な欠陥があることがわかります。このように、 CRUD図を作成することで、業務の担当者間で「誰がどのデータを責任を持って管理し、誰がそれを活用するのか」というルールが明確になり、システム化の際のデータ整合性を保つことができます。
ITパスポート試験においては、この「業務プロセスとデータの関係を整理する」というキーワードが出てきたら、迷わず「CRUD図」を選択できるようにしておきましょう。