令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問20 解説 RFPの定義
システム開発におけるRFPの説明として,適切なものはどれか。
- ア IT ベンダーが,情報システム開発の必要性をユーザーに提案するために作成し た提案文書
- イ 発注者側が,開発すべき情報システムの調達条件などを IT ベンダーに示すため に作成した文書 ✓ 正答
- ウ 発注者と受注した IT ベンダーが,開発するシステムの仕様を明確にするために 共同で作成した設計文書
- エ ユーザー部門が,情報システム部門に情報システム開発の必要性と開発要件を明 確にするように求めた文書
解説
RFPのキーワードは「依頼」と「提案」
この問題の正解を導くための最大のポイントは、RFPの正式名称「Request for Proposal」の意味を分解することです。Requestは「依頼」、Proposalは「提案」を意味します。つまり、発注者側がベンダーに対して「あなたの会社の提案をください」と依頼するための文書がRFPです。この観点から選択肢を見ると、発注者側がベンダーに調達条件を示して提案を求めるイだけが適切であることがわかります。
RFPが果たす役割
RFP(提案依頼書)は、システム開発のプロジェクトにおいて非常に重要な役割を果たします。
発注者(ユーザー企業)は、新しいシステムを作りたいと考えても、技術的な詳細や実現方法はITベンダーの方が専門知識を持っていることがほとんどです。そこで、発注者が「どのような目的で、どのような機能が必要で、予算や納期はどれくらいか」という要件をRFPにまとめてベンダーに提示します。
これを受け取ったベンダーは、RFPの内容に基づいて「私たちはこのような技術を使って、この価格と期間でシステムを実現します」という提案書を作成します。つまり、RFPは「発注者の要望」と「ベンダーの技術力」をつなぐ架け橋のような存在です。
なぜRFPが必要なのか
RFPを作成せずに口頭やメモ程度のやり取りだけでシステム開発を進めると、後々大きなトラブルに発展します。
認識のズレを防ぐ 口頭の説明だけでは、発注者とベンダーの間で「言った・言わない」や、機能に対する解釈の相違が発生しやすくなります。文書化することで、合意内容を明確にします。
比較検討を容易にする 複数のベンダーに見積もりを依頼する場合、同じ条件(RFP)に基づいて提案してもらうことで、価格や技術力、保守体制などを公平に比較検討できます。
開発の方向性を共有する プロジェクトのゴールや制約条件を明文化することで、プロジェクトに関わる全員が同じ方向を向いて仕事に取り組むことができます。
ITパスポート試験では、RFPだけでなく、RFI(情報提供依頼書:Request for Information)という用語もよく出題されます。RFPが「具体的な提案」を求めるのに対し、RFIは「ベンダーから製品概要や技術情報といった情報をもらい、検討の材料にする」ためのものです。この2つは「提案」を求めるか「情報」を求めるかという違いをセットで覚えておくと、試験本番で迷わなくなります。