令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問98 解説 プロンプトエンジニアリング
AIにおけるプロンプトエンジニアリングの説明として,適切なものはどれか。
- AIが,多数の事象やデータから普遍的なルールや知識を獲得すること
- AIに対する質問や指示などが入力できる状態であることを,画面上に記号や文字列で示すこと
- 意図した回答を得るためにAIに対する質問や指示の内容,情報の提供,出力形式の指定などを工夫すること ✓ 正答
- 神経細胞が作るネットワークをコンピュータで模した,AIで用いられる計算モデルのこと
解説
プロンプトエンジニアリングのキーワードを見抜く
この問題は、キーワードの「プロンプト」という言葉の意味を理解していれば即答できる問題です。プロンプトとは、生成AIに対してユーザーが入力する「指示」や「質問」そのものを指します。したがって、プロンプトを「エンジニアリング(工学的に構築・工夫すること)」するとは、AIから望む結果を引き出すための指示の出し方を洗練させる行為を指すと判断できます。
プロンプトエンジニアリングとは何か
プロンプトエンジニアリングは、ChatGPTなどの生成AIを活用する上で極めて重要な技術です。AIに対して単に質問を投げるだけでなく、以下のような要素をプロンプトに盛り込むことで、回答の質を劇的に向上させることができます。
・役割の付与: あなたは熟練のITエンジニアです、のようにAIに専門的な立場を演じさせる。 ・出力形式の指定: 表形式でまとめて、箇条書きで3点教えて、JSON形式で出力して、といった指定を行う。 ・制約条件の設定: 200文字以内で、専門用語を使わずに小学生にもわかるように説明して、といった制限を加える。 ・具体例の提示: このような回答を期待しています、というサンプル(Few-shotプロンプティング)を提示する。
これらの工夫は、AIの出力をコントロールするための「設計図」を書く作業に似ています。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験においてこの問題が問われる背景には、AIが単なる「検索ツール」ではなく、ビジネスの現場で「成果物を作成するツール」へと進化しているという現状があります。
企業活動においてAIを利用する場合、AIが的外れな回答を繰り返すと業務効率は低下します。プロンプトエンジニアリングのスキルを持つことは、AIの能力を最大限に引き出し、誤情報を減らして生産性を高めるための実務的な必須能力となっています。今後、多くの業務プロセスにおいて「AIにどう指示を出すか」という設計能力が、個人のITスキルの一環として重宝されるようになるでしょう。
選択肢の分析
・AIが多数の事象からルールを獲得すること:これは「機械学習」または「ディープラーニング」の説明です。 ・画面上に記号や文字列で示すこと:これは「コマンドラインインターフェース(CLI)」や「プロンプト(入力待ちの表示)」自体の定義であり、エンジニアリング(工夫)とは異なります。 ・神経細胞を模した計算モデル:これは「ニューラルネットワーク」の説明です。