第三級陸上特殊無線技士 / 第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.3) / 各問題解説 / 問7
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第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.3) 問7 解説 秘密の保護

次の記述は、秘密の保護について述べたものである。電波法の規定に照らし、[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、[ ]を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

  1. 1 特定の相手方に対して行われる無線通信 ✓ 正答
  2. 2 総務省令で定める周波数を使用して行われる暗号による無線通信
  3. 3 総務省令で定める周波数を使用して行われる無線通信
  4. 4 特定の相手方に対して行われる暗号による無線通信

解説

電波法第59条「秘密の保護」に関する条文の空欄を埋める問題です。この規定は、暗号の有無や周波数に関わらず、「特定の相手方に向けられた無線通信」すべてに適用されます。したがって、正解は選択肢1の「特定の相手方に対して行われる無線通信」となります。

通信の秘密を守る電波法の基本原則

電波は、空気中を四方八方に広がって伝わる性質を持っています。そのため、適切な受信機を用意すれば、他人の通信を傍受することは技術的に容易です。このような電波の性質から生じるプライバシーや業務上の秘密の漏洩を防ぐために、電波法第59条において「秘密の保護」が定められています。

ここで保護の対象となるのは、1対1の通話や、特定の企業内・グループ内での連絡など、特定の相手を対象に送信された無線通信です。一方で、テレビやラジオの放送のように、不特定多数の人に向けて送信される無線通信は、この「特定の相手方に対して行われる無線通信」には該当しないため、秘密保護の対象外となります。

選択肢を論理的に絞り込む方法

この問題を解く際は、法律がどのような状況を想定し、何を保護しようとしているのかを考えます。

まず、暗号化されているかどうかという点に着目します。選択肢2や4には「暗号による無線通信」とありますが、暗号化されていないプレーンな音声通信であっても、特定の相手に対する通信であれば、その秘密は同様に保護されるべきです。暗号化された通信だけを守るのでは、法律としての保護範囲が狭すぎます。

次に、周波数の制限についてです。選択肢2や3には「総務省令で定める周波数を使用して行われる」とありますが、秘密を守るべき重要性は、使用する電波の周波数によって変わるものではありません。どのような周波数であっても、特定の相手とのやり取りであれば秘密は守られなければなりません。

これらを排除すると、通信の内容や方法、周波数に関わらず、すべての特定宛ての通信を包括する「特定の相手方に対して行われる無線通信」という表現が最も適切であると判断できます。

無線従事者として求められる倫理観と実務での重要性

第三級陸上特殊無線技士の資格を取得し、実際に仕事や趣味で無線機を運用するようになると、混信や意図しない受信によって、他人の通信内容がスピーカーから聞こえてしまう状況に直面することがあります。

電波法において、偶然に他人の通信を「傍受(受信)してしまったこと」自体は、電波の特性上不可避であるため罰せられません。しかし、そこで得た通信の「存在や内容を他人に漏らすこと(漏洩)」や、「その情報を自分の仕事や利益のために勝手に使うこと(窃用)」は厳しく禁止されています。

例えば、偶然聞き取った他社の業務連絡をもとに先回りしてビジネスを展開したり、他人の通話内容をSNSに書き込んだりする行為は、この電波法第59条に直接違反し、厳しい罰則の対象となります。

この問題は、単に条文を暗記しているかを試すだけでなく、無線従事者となる者に対して、共有の財産である電波を扱う以上、他者の通信の秘密を厳格に守る倫理観を持たなければならないという強いメッセージを伝える教育的な意図を持っています。

参考リンク

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