第三級陸上特殊無線技士 / 第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.2) / 各問題解説 / 問20
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第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.2) 問20 解説 デジタル通信方式

次の記述は、アナログ通信方式と比べたときのデジタル通信方式の一般的な特徴について述べたものである。誤っているのはどれか。下の番号から選べ。

  1. 1. 雑音の影響を受けにくい。
  2. 2. 信号処理による遅延が生じる。
  3. 3. 秘話性を高くすることができない。 ✓ 正答
  4. 4. 受信側で誤り訂正を行うことができる。

解説

デジタル通信方式はデータを0と1のデジタル信号に変換して伝送するため、暗号化などの高度な信号処理が容易であり、アナログ通信方式よりも秘話性を格段に高くすることができます。したがって、秘話性を高くすることができないとする選択肢3が誤りであり、これが正解となります。

デジタル通信とアナログ通信の基本性質

アナログ通信とデジタル通信の最大の違いは、情報を伝える信号の性質にあります。

アナログ通信は、音声などの情報を電圧や電流の連続的な変化(波)のまま直接伝送します。これに対し、デジタル通信は、アナログ情報を一定の間隔でサンプリングし、0と1の二進数のデータ(符号)に変換して伝送します。この表現形式の違いが、通信の品質や機能に大きな差を生み出します。

各選択肢の解説と正誤判定のプロセス

各選択肢で述べられている特徴を、デジタル通信の仕組みに照らし合わせて検証します。

1. 雑音の影響を受けにくい(正しい記述)

アナログ信号は波の形そのものに情報が含まれているため、途中で雑音が混ざると、雑音も信号の一部としてそのまま受信されてしまいます。一度混入した雑音を取り除くことは極めて困難です。 一方、デジタル信号は0か1かの2つの状態しかありません。途中で多少の雑音や歪みが生じても、受信側で定められた閾値(しきい値)より高いか低いかを判定できれば、元の0か1の状態を完全に復元できます。このため、デジタル通信は雑音に強いという特徴を持ちます。

2. 信号処理による遅延が生じる(正しい記述)

デジタル通信では、送信側でアナログ信号をデジタル信号に変換する処理(AD変換)や、データを圧縮する処理、暗号化処理、データを一定のまとまり(パケット)にする処理など、多くの計算処理を行います。受信側でもこれらと逆の処理(復号やDA変換など)を行うため、アナログ通信に比べてどうしても計算処理に伴うわずかな遅延(タイムラグ)が生じます。

3. 秘話性を高くすることができない(誤った記述・正解)

アナログ通信における秘話(通信内容を第三者に知られないようにすること)は、音声の周波数を反転させるなど、簡易的な方法に限られていました。これらは簡単な仕組みで傍受・解読されてしまう恐れがあります。 しかし、デジタル通信では、データそのものを複雑な数学的アルゴリズム(暗号鍵を用いた暗号化)によってスクランブルすることができます。鍵を持たない第三者がこのデータを傍受しても、ただの不規則な0と1の並び(ノイズ)にしか見えないため、解読することは不可能です。これにより、極めて高い秘話性を実現できます。したがって、「秘話性を高くすることができない」とする記述は誤りです。

4. 受信側で誤り訂正を行うことができる(正しい記述)

デジタル通信では、送信するデータにあらかじめ「誤り訂正符号」と呼ばれる冗長なデータを追加して送信することができます。これにより、通信途中でノイズなどによってデータの一部が0から1(あるいは1から0)に反転してしまっても、受信側でその誤りを自動的に検出し、正しいデータに修復(訂正)することができます。アナログ通信にはこのような自己修復機能はありません。

免許取得後に役立つデジタル通信の重要性

陸上特殊無線技士が取り扱う多くの無線システムは、すでにデジタル化が完了しているか、急速にデジタル化が進んでいます。

例えば、業務でよく使われるデジタル簡易無線や、警察・消防などの公共ブロードバンド無線システムでは、高度なデジタル秘話機能が標準搭載されています。これにより、関係者以外の第三者による通信内容の傍受を防ぎ、業務上のプライバシーや機密情報を保護しています。

また、デジタル通信の持つ「誤り訂正機能」や「雑音への強さ」により、電波の状態が悪いビルの谷間や地下街などでも、クリアな音声通話を維持することが可能になります。デジタル通信の仕組みを正しく理解することは、無線機器の特性を最大限に活かし、安定した確実な通信環境を維持するために不可欠な知識です。

参考リンク

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