第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.3) 問17 解説 リチウムイオン電池
次の記述は、リチウムイオン蓄電池の特徴について述べたものである。[ ] 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 リチウムイオン蓄電池は、小型軽量で電池1個当たりの端子電圧は1.2 [V] より [ A ]。また、ニッケルカドミウム蓄電池に比べて、自己放電量が少なく、メモリー効果がないので継ぎ足し充電が [ B ]。
- 1. 低い できない
- 2. 低い できる
- 3. 高い できない
- 4. 高い できる ✓ 正答
解説
この問題は、蓄電池の種類ごとの電圧特性と、充放電の利便性に関する知識を問うものです。結論から言うと、リチウムイオン蓄電池は「ニッケルカドミウム蓄電池(1.2V)よりも電圧が高く」「継ぎ足し充電ができる」という特徴をセットで覚えるのが正攻法です。
蓄電池の電圧とメモリー効果の基礎知識
リチウムイオン蓄電池は、現代のモバイル機器や無線機で最も広く利用されている充電池です。この電池の公称電圧は約3.6Vから3.7Vであり、ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池の公称電圧である1.2Vと比較して、高い電圧を維持できるのが大きな特徴です。
また、蓄電池には「メモリー効果」という現象が存在します。これは、電池を使い切る前に充電を繰り返すと、見かけ上の容量が減少してしまう現象のことです。ニッケルカドミウム蓄電池はこの影響を受けやすく、完全に使い切ってから充電することが推奨されていました。一方、リチウムイオン蓄電池は化学構造上、メモリー効果がほとんど発生しません。そのため、残量を気にせず、少し使っては充電する「継ぎ足し充電」が可能です。
選択肢を絞り込む思考プロセス
試験問題に対峙した際は、以下のステップで思考を展開します。
- 電圧の比較:リチウムイオン蓄電池はスマートフォンやノートPCなど高出力を要する機器に使われています。これら機器は1.2Vの電池を直列につないで電圧を稼ぐ設計が多いため、電池1個あたりの電圧が1.2Vよりも高いという事実は、直感的な知識としても定着させやすい部分です。したがって、Aには「高い」が入ります。
- 継ぎ足し充電の可否:リチウムイオン蓄電池の最大の利便性は、いつ充電しても劣化しにくい点です。もし継ぎ足し充電ができないとすれば、現在のモバイル社会における運用は著しく不便になります。日常的な使用シーンを思い浮かべれば、「できる」が妥当であると判断できます。
無線機器運用における蓄電池の重要性
第三級陸上特殊無線技士が扱う無線局において、電源の確保は通信の信頼性を左右する非常に重要な要素です。例えば、移動運用を行う際に持ち込む無線機や予備電源として、リチウムイオン蓄電池の特性を理解しておくことは、運用計画を立てる上での必須事項です。
メモリー効果がないという特性は、現場での運用効率に直結します。通信の合間にこまめに充電することで、常に満充電に近い状態で待機できるからです。このように、蓄電池の知識は単なる暗記項目ではなく、現場でどのような電源管理が最適かを判断するための実務的な教養といえます。