第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.3) 問20 解説 TDMAの概念
次の記述は、どの多元接続方式について述べたものか。下の番号から選べ。 下の概念図に示すように、個々のユーザに使用するチャネルとして極めて短い時間を個別に割り当てる方式であり、チャネルとチャネルの間にガードタイムを設けている。
- 1. FDMA
- 2. CDMA
- 3. TDMA ✓ 正答
- 4. OFDMA
解説
この問題は、キーワードの「時間」と「ガードタイム」に注目するだけで即答できます。横軸が時間であり、特定の時間枠(タイムスロット)をユーザーごとに切り分けて割り当てている図であれば、それはTDMA(時分割多元接続)です。
多元接続方式とTDMAの仕組み
多元接続(マルチプルアクセス)とは、限られた電波の資源を複数の通信相手で効率よく分け合うための技術です。それぞれの方式は、何を切り分けるかによって名前が決まっています。
TDMA(Time Division Multiple Access)は、その名の通り「時間(Time)」を「分割(Division)」して使う方式です。一つの周波数帯を、ごく短い時間単位に区切り、順番にユーザーへ割り当てることで、あたかも同時に通信しているかのようにデータをやり取りします。
ここで重要になるのがガードタイムです。無線通信では、送信タイミングのわずかなズレや、電波の伝搬遅延によって信号が重なってしまうことがあります。この重なりを防ぐために、異なるユーザーの通信時間の間に、あえて何も送信しないわずかな時間(隙間)を設けます。これがガードタイムの役割です。
試験問題としての読み解き方
この問題を解く際は、選択肢の略称が何を表しているかを分解してみるのが近道です。
- TDMA: Time(時間)Division Multiple Access
- FDMA: Frequency(周波数)Division Multiple Access
- CDMA: Code(符号)Division Multiple Access
- OFDMA: Orthogonal Frequency(直交周波数)Division Multiple Access
問題文に「極めて短い時間を個別に割り当てる」とあれば、Timeが含まれるTDMA一択となります。逆に、もし「周波数を分割して」という記述があればFDMA、「符号を使って信号を識別して」という記述であればCDMAを正解として選ぶことになります。試験では、このようにキーワードと略称をセットで結びつけておくだけで、迷わずに解答できるようになります。
無線通信技術の背景と実用
TDMAの考え方は、現在のデジタル携帯電話やデジタル無線通信の基礎となっています。かつてのアナログ方式では周波数を分割するFDMAが主流でしたが、デジタル化によって情報を時間軸で圧縮できるようになったため、TDMAのような時間分割方式が活用されるようになりました。
現在では、これら複数の方式を組み合わせたハイブリッドな手法が広く使われています。例えば、LTEやWi-Fiなどで使われるOFDMAは、周波数を細かく分割した上で、さらに時間軸での割り当ても制御するという、より高度な多重化を実現しています。試験に出るような各方式の基本原理を知ることは、現代の複雑な通信環境がどのようなルールで動いているかを理解する第一歩となります。