令和7年度 下期 学科試験 問16 解説 電離層の特性
次の記述において[ A ] 及び [ B ] 内にいれるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 電離層は、一般にD層、E層、F層からなり、このうち高さが最も高いのは [ A ] 層で、他の層に比べて [ B ] 周波数の電波を反射する。
- E 高い
- F 低い
- E 低い
- F 高い ✓ 正答
解説
この問題は、電離層の構造と周波数特性という2つの知識を組み合わせることで、直感的に解くことができます。
電離層の高さと周波数の関係
電離層の高さは、地上に近い順にD層、E層、F層となっています。この順序を覚えるだけで、最初の穴埋めである「最も高い層=F層」が確定します。
次に、反射する周波数の性質について考えます。電離層の電子密度が高いほど、より高い周波数の電波を反射することができます。F層は電離層の中で最も電子密度が高いため、他の層と比較して「より高い周波数」の電波を反射する性質があります。したがって、正解は「F」「高い」の組み合わせとなります。
電離層の構造を整理する
地球を取り巻く大気の上層部には、太陽からの紫外線やX線によって大気が電離し、自由電子が多数存在する領域があります。これが電離層です。
- D層:最も低く(約60~90km)、昼間のみ現れます。電子密度は低く、主に中波などの電波を吸収します。
- E層:中間に位置し(約90~130km)、短波通信などに影響を与えます。
- F層:最も高く(約150km以上)、昼間はF1層とF2層に分かれることもあります。電子密度が最大となる層であり、短波帯の電波を遠くまで飛ばすために不可欠な役割を担っています。
なぜこの知識が必要なのか
電離層の反射特性を理解することは、海上通信において非常に重要です。遠洋航海中の船舶が短波(HF帯)無線機を使用して通信を行う際、電波は電離層のF層で反射し、地球の裏側まで到達します。
もし、送信したい周波数がその時の電離層の状態に対して高すぎれば、電波は電離層を突き抜けて宇宙空間へ逃げてしまいます。逆に低すぎれば、D層などで吸収されてしまいます。電離層の構造を知っておくことは、通信の距離や時間帯に応じて最適な周波数を選択し、確実に通信を成立させるための判断力につながります。