令和7年度 下期 学科試験 問17 解説 電源回路の出力
図の電源回路の入力に交流を加えたとき、出力及び出力端子の極性の組合せで、正しいのはどれか。次のうちから選べ。
- 直流 a ✓ 正答
- 直流 b
- 交流 a
- 交流 b
解説
この問題は、整流回路の基本的な仕組みを理解しているかを問うものです。まず、ダイオード(D)が含まれている時点で、回路は交流を直流に変換する「整流」を行っていると判断します。次に、ダイオードの向きに注目します。矢印の先(カソード側)が上側のラインにつながっているため、電流は常に上側から流れ出そうとします。したがって、出力端子aがプラス、bがマイナスとなり、「直流 a」が正解です。
整流回路の基本原理
整流回路とは、向きが交互に入れ替わる交流電流を、一方向に流れる直流電流へ変換する回路です。この変換の主役はダイオードです。ダイオードには、アノードからカソードへ向かって電流を流し、逆方向には流さないという「整流作用」があります。
この回路では、変圧器(T)で電圧を変えた交流がダイオードに入力されます。ダイオードを通過した電流は、プラス方向のみが切り出された状態となります。しかし、これだけでは電圧が脈動する不完全な直流であるため、コンデンサとチョークコイルを組み合わせて電圧を平滑化し、安定した直流を取り出しています。
回路図からの極性判定
極性を判定する際は、回路図上の「ダイオードの記号」を観察します。ダイオードの三角形の頂点(矢印の先)が、電流の出口側を指しています。
- 交流の半周期において、電流が流れる方向を確認します。
- ダイオードの矢印が上側の線に向いているため、上側端子(a)にプラスの電位が現れます。
- 下側の線は回路の基準(グランド)となっており、ここがマイナス(b)の役割を果たします。
この構造を見抜くことが、整流回路の問題を解くための定石です。
無線機器における電源回路の重要性
海上特殊無線技士が扱う無線機や送受信機などの電子機器は、ほとんどが内部で直流によって動作しています。しかし、コンセントや発電機から得られる電力は交流であることが一般的です。そのため、無線機内部には必ず今回のような電源回路が組み込まれており、家庭用や船舶用の交流電力を、精密な回路を動かすための安定した直流電力へと変換しています。
この回路の各部品には明確な役割があります。コンデンサは電圧の変動を抑え、チョークコイルは電流の急激な変化を防いで出力を滑らかにする働きをします。試験対策としては、単に記号を覚えるだけでなく、「交流を直流に直して機械に電気を送る」という物理的な流れをイメージできるようにしておくと、他の応用問題にも強くなります。