第三級海上特殊無線技士 / 令和7年度 下期 学科試験 / 各問題解説 / 問15
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令和7年度 下期 学科試験 問15 解説 レーダーの雑音

レーダー受信機において、最も影響の大きい雑音は どれか。次のうちから選べ。

  1. 1. 空電による雑音
  2. 2. 電気器具による雑音
  3. 3. 電動機による雑音
  4. 4. 受信機内部の雑音 ✓ 正答

解説

受信機の雑音源を特定する考え方

この問題の正解は「受信機内部の雑音」です。レーダーなどの高周波帯を用いる通信機器において、最も考慮すべき雑音の発生源は外部環境ではなく、機器自身の内部回路です。選択肢にある空電や電気器具・電動機による雑音は、低い周波数帯では問題になりますが、レーダーが扱うマイクロ波帯では影響が比較的小さくなるという判断基準を持ちましょう。

レーダーにおける雑音の支配要因

無線通信やレーダーにおいて、受信機が信号をどれだけクリアに捉えられるかは「S/N比(信号対雑音比)」によって決まります。S/N比を改善するためには、信号を大きくするか、雑音を小さくしなければなりません。

低周波帯の通信では、雷などの自然現象である「空電」や、近くにある電気機器から漏れ出る「産業雑音」が大きな壁となります。しかし、レーダーが使用する極めて高い周波数帯(センチメートル波など)では、こうした外部雑音は物理的に発生しにくかったり、遮蔽しやすかったりします。

一方で、受信機の入り口(フロントエンド)に存在する電子部品、特にトランジスタや抵抗器などの回路素子からは、電子の熱運動に起因する「熱雑音」が常に発生しています。どれほど完璧なアンテナ環境を整えても、この内部雑音だけは避けられません。そのため、レーダー受信機の性能を評価する際は、外部の環境要因よりも、この「内部雑音がどれだけ小さいか」という要素が決定的な意味を持ちます。

機器設計と性能評価の視点

試験においてこの問題が問われる理由は、受信機の設計思想や、運用時の感度調整という実務上の感覚を問うためです。

例えば、レーダーを操作していて画面上にノイズ(スノーノイズのようなもの)が見えるとき、その多くは外部からの妨害ではなく、受信機内部の増幅回路で発生している雑音を強調して見ている状態です。この雑音をどれだけ抑え込めるか(低雑音化)が、遠方の微弱な反射波を捉えるための技術的な鍵となります。

この知識を整理しておくと、無線従事者として「どの周波数帯ではどのような雑音に注意すべきか」という、システム運用の勘所を身につけることができます。レーダーのような高性能な機器ほど、内部の熱雑音をいかに最小限にするかが技術競争の核心であり、試験でもその基礎的な性質を理解しているかが問われているのです。

参考リンク

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