第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.2) 問2 解説 変更の工事の許可
アマチュア局の免許人が、総務省令で定める場合を除き、あらかじめ総合通信局長(沖縄総合通信事務所長を含む。)の許可を受けなければならない場合は、次のどれか。
- 1. 無線設備の変更の工事をしようとするとき。 ✓ 正答
- 2. 無線局の運用を休止しようとするとき。
- 3. 免許記録に記録されている免許人の住所を変更しようとするとき。
- 4. 無線局を廃止しようとするとき。
解説
電波法第17条に基づき、無線設備の変更(周波数や空中線電力、送信機の増設・変更など)の工事を行う場合は、あらかじめ許可を受ける必要があります。他の選択肢である休止、住所変更、廃止については、事前の「許可」までは求められないため、消去法でも「無線設備の変更の工事をしようとするとき」が正解であると判断できます。
無線局の変更における許可と届出の違い
電波法において、無線局に関する申請手続きは、その行為が「電波秩序(混信や違法電波の発生など)にどの程度影響を与えるか」によって、事前に許可が必要なものと、事後の届出(または簡易な申請)で済むものに区別されています。
最も厳格に管理されるのが、送信機やアンテナといった無線設備そのものです。無線設備に手を加えることは、他人の通信を妨害したり、不要な電波を発射したりするリスクに直結します。そのため、電波法第17条第1項では、無線設備の変更の工事をしようとするときは、原則としてあらかじめ総務大臣(窓口は総合通信局長)の許可を受けなければならないと定めています。
各選択肢の性質と手続きの分類
それぞれの選択肢がどのような手続きに分類されるのかを整理することで、問題の意図をより深く理解できます。
無線設備の変更の工事をしようとするとき 電波の質や送信出力、設置場所などの変更は、電波の監視や他局への混信防止の観点から、工事に取り掛かる前に国のチェック(許可)が必要です。これが本問の正解です。
無線局の運用を休止しようとするとき アマチュア局が運用を休止すること自体は、電波秩序を乱す原因にはなりません。そのため、あらかじめ許可を得る必要はありません。
免許人の住所を変更しようとするとき 引っ越しなどによる住所変更は、電波の発射そのものに直接の影響を与えません。そのため、住所が変わった後に、免許証の訂正手続き(届出)を行えば足ります。引っ越す前に許可を得る必要はありません。
無線局を廃止しようとするとき 電波の利用をやめる(廃止する)場合、電波法第22条に基づき、あらかじめその旨を届け出る必要があります。しかし、これは「やめます」という意思表示の届出であり、国から「廃止してよい」という許可を得る性質のものではありません。
免許取得後の運用の現場で活きる知識
この問題がカバーしている法律の知識は、合格後に実際に自分のアマチュア無線局を運用・アップデートしていく際に必ず直面する実務知識です。
例えば、最初に第四級アマチュア無線技士として開局した後に、新しいハンディ機を追加で購入して使いたくなったとします。このとき、単に電源を入れて送信すると違法運用(無免許・無届の設備使用)になってしまいます。 自分の無線局に新しい無線機を追加する行為は、まさに無線設備の変更の工事(増設)に該当します。現在では、技術基準適合証明(技適)を受けた既製品であれば、保証機関を通した簡易な手続きや、軽微な変更として処理できる特例がありますが、法的な大原則としては「設備の変更工事には事前の許可・手続きが必要である」という電波法の基本ルールがベースにあります。
この原則を知っておくことで、うっかり無登録の送信機から電波を発射してしまうというトラブルを防ぎ、法令を遵守したクリーンなアマチュア無線ライフを楽しむことができます。