第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.2) 問8 解説 混信等の防止
アマチュア局は、自局の発射する電波がテレビジョン放送又はラジオ放送の受信等に支障を与えるときは、非常の場合の無線通信等を行う場合を除き、どのようにしなければならないか。次のうちから選べ。
- 1. 注意しながら電波を発射する。
- 2. 速やかに当該周波数による電波の発射を中止する。 ✓ 正答
- 3. 障害の状況を把握し、適切な措置をしてから電波を発射する。
- 4. 空中線電力を小さくする。
解説
テレビやラジオの受信に支障(電波障害)を与えたときは、非常時を除き、まず電波の発射をすぐにやめる(中止する)という電波法の基本ルールを覚えておくことで、一瞬で正解を選べます。
電波障害が発生したときの義務
電波法第82条第1項には、アマチュア局を含む無線局が、他の無線局の運用やテレビ・ラジオの受信などに支障を与えたときの措置が定められています。
アマチュア無線は個人の興味で行う趣味の無線であり、人命救助や災害対応などの非常の場合を除き、公共の電波利用(放送の受信など)に悪影響を及ぼしてはなりません。もし自局の電波が原因で近隣のテレビやラジオの音声・映像に乱れが生じた場合は、原因の特定や対策を行う前に、まず当該周波数による電波の発射を速やかに中止することが法的に義務づけられています。
正解に至る判断のステップ
選択肢を検討する際、法律が最優先していることは何かを考えます。
テレビやラジオを楽しんでいる一般市民からすれば、アマチュア無線の混信は予期せぬ妨害です。この妨害を発生させ続けたまま対策をとることは許されません。
- 選択肢1(注意しながら発射する)や選択肢4(空中線電力を小さくする)は、妨害を与え続けている状態が維持されてしまうため、不適切です。
- 選択肢3(障害の状況を把握し、適切な措置をしてから発射する)は一見すると建設的に思えますが、状況把握や措置をしている間も電波を発射し続けることになり、受信障害が継続してしまいます。
したがって、まずは完全に電波を止めて障害を即座に解消する「2. 速やかに当該周波数による電波の発射を中止する」が唯一の正しい行動となります。
アマチュア無線家としての社会的責任と電波の共用
この問題は、アマチュア無線が他者との共存のうえに成り立っていることを学ぶための非常に重要なテーマです。
アマチュア無線に割り当てられている周波数帯の近くには、テレビ放送や各種業務無線など、社会的に重要な通信が多数存在しています。また、送信機の不必要な電波(高調波など)が予期せぬ周波数に飛び、近隣の家電製品に影響を与えるインターフェア(電波障害)という現象が起こることもあります。
このようなトラブルが起きたとき、電波を出しながら調整しようとするのはマナー違反であると同時に違法行為になります。一度電波を止め、フィルターの追加やアンテナの調整、送信出力の再検討など、十分な対策を施して安全を確認したうえでなければ、送信を再開してはなりません。
この知識は、試験に合格して実際に開局した後、近隣住民と良好な関係を保ちながら安全に運用を続けるための防衛策でもあります。