第三種電気主任技術者試験 / 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問172
certification-simodake-work

令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問172 解説 問17(b) 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問17(b)

設問図

問17(b) 問 17 図のように配電用変圧器二次側の単相 3 線式低圧配電線路に負荷 A 及び負荷 B が接続されている場合について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は 6 600 V,二次電圧は 110/220 V で一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線 1 線当たりの抵抗は 0.06 Ω,負荷 A 及び負荷 B は純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 (b) 低圧配電線路の中性線が点 F で断線した場合に負荷 A にかかる電圧の値 [V] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 88
  2. 106
  3. 123
  4. 127 ✓ 正答
  5. 138

解説

中性線が断線することで、単相3線式回路が2つの負荷と2本の電線による直列回路へと変化し、線間電圧の220 Vが負荷Aと負荷Bの抵抗比に応じて分圧されるため、負荷Aにかかる電圧は127 Vとなります。

単相3線式回路と電圧の関係

単相3線式回路は、変圧器の二次側中央を中性線として接地し、その上下にそれぞれ110 Vの電圧(合計220 V)を供給する方式です。通常の状態では、中性線が電流の還流路となり、各負荷にはそれぞれ110 Vが供給されます。

しかし、中性線が断線すると、中性線を介した接続が失われます。このとき、負荷Aと負荷Bは、本来110 Vの端子間ではなく、上下の電圧端子間にある220 Vの回路に対して直列に接続された状態となります。この回路では、キルヒホッフの法則により回路を流れる電流が一定となり、供給される220 Vの電圧が、各負荷の抵抗値に比例して分圧されます。

断線時の電圧算出

中性線が断線した場合の電圧計算を以下の手順で行います。

  1. 負荷の抵抗値を特定する 問(a)の条件から、二次電流の比 Ia:Ib=2:3I_a : I_b = 2 : 3 です。電圧が110 Vで共通であるとき、オームの法則 V=RIV = RI より、抵抗 RR は電流に反比例します。したがって、負荷Aの抵抗 RAR_A と負荷Bの抵抗 RBR_B の比は RA:RB=3:2R_A : R_B = 3 : 2 となります。

  2. 回路全体の分圧状況を確認する 中性線が断線すると、負荷Aと負荷Bは220 Vの電源に対して直列に接続されます。回路を流れる電流を I′I' とすると、負荷Aにかかる電圧 VAV_A は、VA=RA×I′V_A = R_A \times I' となります。このとき、直列接続の分圧公式により、全体の電圧 220 V220\text{ V} は抵抗比 3:23:2 に分割されます。

  3. 負荷Aの電圧を算出する 負荷Aにかかる電圧 VAV_A は、220 V×RARA+RB220\text{ V} \times \frac{R_A}{R_A + R_B} の式で求められます。ここで、RA=3kR_A = 3k、RB=2kR_B = 2k と置くと、VA=220×3k3k+2k=220×35=127 VV_A = 220 \times \frac{3k}{3k + 2k} = 220 \times \frac{3}{5} = 127\text{ V} となります。

中性線が断線した瞬間に、線間電圧220 Vがそれぞれの負荷に分配される様子を重ねてみると、各負荷の抵抗値の大きさに応じた電圧変化が見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう