令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問171 解説 問17(a) 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問17(a)
問17(a) 問 17 図のように配電用変圧器二次側の単相 3 線式低圧配電線路に負荷 A 及び負荷 B が接続されている場合について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,変圧器は,励磁電流,内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で,一次電圧は 6 600 V,二次電圧は 110/220 V で一定であるものとする。また,低圧配電線路及び中性線の電線 1 線当たりの抵抗は 0.06 Ω,負荷 A 及び負荷 B は純抵抗負荷とし,これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。 (a) 変圧器の電流を測定したところ,一次電流が 5 A,二次電流 $I_{\text{a}}$ と $I_{\text{b}}$ の比が 2 : 3 であった。二次側低圧配電線路及び中性線における損失の合計値 [kW] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 2.59
- (2) 2.81
- (3) 3.02 ✓ 正答
- (4) 5.83
- (5) 8.21
解説
二次側低圧配電線路及び中性線における電力損失は、各電線に流れる電流の2乗と抵抗の積の総和であることから、二次電流の絶対値を導出することで算出でき、合計3.02 kWとなります。
電流の変換と電力損失の法則
理想変圧器においては、一次側と二次側の間でエネルギーが保存されます。一次電流 、一次電圧 であるとき、一次側の電力 です。理想変圧器では損失がないため、二次側の総電力も となります。
単相3線式回路の二次側は、中性線を基準として上下にそれぞれ の電圧が供給されています。各負荷電流 が流れるとき、二次側の総電力は と表せます。ここで、ジュール熱の法則()により、配電線路の損失は、各線を流れる電流の2乗と、その線の抵抗値 を用いて計算できます。
二次電流の算出と損失の計算
まず、二次側の総電流の関係式を求めます。問題文より なので、 となります。これを総電力の式に代入すると、 となり、 より、 です。したがって、 となります。
次に、中性線に流れる電流 を求めます。単相3線式では、中性線には負荷電流の差分が流れます。電流の向きを考慮すると、 となります。
各電線の損失を合計します。損失 は、上の線( が流れる)、下の線( が流れる)、および中性線( が流れる)の損失の和です。
計算結果から、最も近い値は です。
二次側の配線図における電流の分流と、各線に流れる電流の2乗を重ねてみると、線路全体で消費されるエネルギーの姿が見えてきます。