令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問30 解説 問3 問3
問3 無限に長い直線導体線に直流電流を流すと,導体の周りに磁界が生じる。この磁界の中に小磁針を置くと,小磁針の (ア) は磁界の向きを指して静止する。そこで,小磁針を磁界の向きに沿って少しずつ動かしていくと,導体を中心とした (イ) の線が得られる。この線に沿って磁界の向きに矢印をつけたものを (ウ) という。また,磁界の強さを調べてみると,電流の大きさに比例し,導体からの (エ) に反比例している。上記の記述中の空白箇所 (ア)~(エ) に当てはまる組合せとして,正しいものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。
- N 極 放射状 電気力線 距離の 2 乗
- N 極 同心円状 電気力線 距離の 2 乗
- S 極 放射状 磁力線 距離
- N 極 同心円状 磁力線 距離 ✓ 正答
- S 極 同心円状 磁力線 距離の 2 乗
解説
問30:無限長直線導体周囲の磁界
無限に長い直線導体に直流電流を流した際に生じる磁界の性質について問われています。空欄(ア)~(エ)に当てはまる語句を、磁界の性質に関する知識に基づいて判断します。
磁界と小磁針、磁力線、磁界の強さ
小磁針の振る舞いと磁界の向き
磁界の中に小磁針を置くと、小磁針のN極は磁界の向きを指して静止します。これは、小磁針のN極が磁界の方向へ力を受けるためです。したがって、空欄(ア)には「N極」が入ります。
磁界の形状:同心円状の磁界
直線導体に電流が流れると、その周りには磁界が生じます。この磁界の形状は、電流の方向に対して垂直な面において、電流を中心とする同心円状になります。この性質は、アンペールの法則(右ねじの法則)によって説明されます。右ねじの法則とは、電流が流れる方向(進む方向)に右ねじを進ませたとき、ねじが回転する向きが磁界の向きとなるという法則です。直線電流の場合、この法則を適用すると、磁界は導体を中心とした円を描くことがわかります。
小磁針を磁界の向きに沿って動かしていくと、導体を中心とした同心円状の線が描かれます。これは、磁界の向きに沿って引かれた線であり、磁力線と呼ばれます。したがって、空欄(イ)には「同心円状」、空欄(ウ)には「磁力線」が入ります。
磁界の強さと距離の関係
磁界の強さは、電流の大きさに比例し、導体からの距離に反比例します。これは、アンペールの法則やビオ・サバールの法則から導かれる結果です。具体的には、無限長直線導体が作る磁界の強さHは、電流の大きさをI、導体からの距離をrとすると、以下の式で表されます。
H = I / (2πr)
この式から、磁界の強さHは電流Iに比例し、距離rに反比例することがわかります。したがって、空欄(エ)には「距離」が入ります。
空白箇所の判断
上記の解説に基づき、空欄(ア)~(エ)に当てはまる語句を組み合わせると、以下のようになります。
- (ア):N極
- (イ):同心円状
- (ウ):磁力線
- (エ):距離
この組み合わせに合致するのは、選択肢(4)「N極 同心円状 磁力線 距離」です。
参考リンク
直線導体に流れる電流の方向と、それによって生じる磁界の向きを、右ねじの法則を思い浮かべながら確認してみましょう。