第三種電気主任技術者試験 / 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問70
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令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問70 解説 問7 大問7

設問図

問7 20℃における抵抗値が R\[Ω\], 抵抗温度係数が α\[℃⁻¹\] の抵抗器 A と 20℃における抵抗値が R\[Ω\], 抵抗温度係数が α\[℃⁻¹\] の抵抗器 B が直列に接続されている。その 20℃ と 21℃ における並列抵抗値をそれぞれ R\[Ω\], R\[Ω\] とし、R\[Ω\] を変化率とする。この変化率として、正しいもの次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. \frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₁}
  2. \frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₁} ✓ 正答
  3. \frac{α₁R₁}{R₁ + R₂ + α₁R₁}
  4. \frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₂}
  5. \frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₂}

解説

第3種電気主任技術者試験 過去問解説

問70

20℃における抵抗値が R₁[Ω]、抵抗温度係数が α₁[℃⁻¹] の抵抗器 A と、20℃における抵抗値が R₂[Ω]、抵抗温度係数が α₂ = 0 [℃⁻¹] の抵抗器 B が直列に接続されています。20℃ と 21℃ における並列抵抗値をそれぞれ r₂₀[Ω]、r₂₁[Ω] とし、変化率 (r₂₁ - r₂₀) / r₂₀ を求めます。この変化率として正しいものは選択肢(2) α1R2R1+R2+α1R1\frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₁} です。

抵抗温度係数と抵抗値の変化

抵抗器の抵抗値は、温度によって変化します。この温度による抵抗値の変化のしやすさを表すのが「抵抗温度係数」です。抵抗温度係数が α[℃⁻¹] の場合、基準温度 T₀[℃] における抵抗値 R₀[Ω] の抵抗器は、温度 T[℃] における抵抗値 R[Ω] が以下の式で表されます。

R=R0(1+α(T−T0))R = R₀ (1 + α(T - T₀))

この問題では、基準温度を 20℃ としています。

並列抵抗値の計算

2つの抵抗器 R₁ と R₂ が並列に接続されている場合、合成抵抗(並列抵抗値)R_p は以下の式で求められます。

Rp=R1⋅R2R1+R2R_p = \frac{R₁ \cdot R₂}{R₁ + R₂}

20℃における並列抵抗値 (r₂₀)

抵抗器 A の 20℃ における抵抗値を R₁、抵抗器 B の 20℃ における抵抗値を R₂ とします。 これらの抵抗器が並列に接続されている場合、20℃ における並列抵抗値 r₂₀ は、上記の並列抵抗値の公式より、

r20=R1⋅R2R1+R2r₂₀ = \frac{R₁ \cdot R₂}{R₁ + R₂}

となります。

21℃における並列抵抗値 (r₂₁)

次に、21℃ における各抵抗器の抵抗値を求めます。

  • 抵抗器 A: 20℃ における抵抗値 R₁、抵抗温度係数 α₁、基準温度 20℃、変化温度 21℃ です。 21℃ における抵抗器 A の抵抗値 R₁'(21) は、 R1′(21)=R1(1+α1(21−20))=R1(1+α1)R₁'(21) = R₁ (1 + α₁(21 - 20)) = R₁ (1 + α₁)

  • 抵抗器 B: 20℃ における抵抗値 R₂、抵抗温度係数 α₂ = 0、基準温度 20℃、変化温度 21℃ です。 21℃ における抵抗器 B の抵抗値 R₂'(21) は、 R2′(21)=R2(1+α2(21−20))=R2(1+0⋅(21−20))=R2R₂'(21) = R₂ (1 + α₂(21 - 20)) = R₂ (1 + 0 \cdot (21 - 20)) = R₂

この 21℃ における抵抗器 A (R₁'(21)) と抵抗器 B (R₂'(21)) が並列に接続されている場合の並列抵抗値 r₂₁ は、

r21=R1′(21)⋅R2′(21)R1′(21)+R2′(21)r₂₁ = \frac{R₁'(21) \cdot R₂'(21)}{R₁'(21) + R₂'(21)} r21=R1(1+α1)⋅R2R1(1+α1)+R2r₂₁ = \frac{R₁ (1 + α₁) \cdot R₂}{R₁ (1 + α₁) + R₂}

となります。

変化率の計算

変化率 r21−r20r20\frac{r₂₁ - r₂₀}{r₂₀} を計算します。 まず、r21−r20r₂₁ - r₂₀ を計算します。

r21−r20=R1(1+α1)R2R1(1+α1)+R2−R1R2R1+R2r₂₁ - r₂₀ = \frac{R₁ (1 + α₁) R₂}{R₁ (1 + α₁) + R₂} - \frac{R₁ R₂}{R₁ + R₂} r21−r20=R1R2(1+α1)R1+α1R1+R2−R1R2R1+R2r₂₁ - r₂₀ = \frac{R₁ R₂ (1 + α₁)}{R₁ + α₁R₁ + R₂} - \frac{R₁ R₂}{R₁ + R₂}

ここで、通分します。分母は (R1+α1R1+R2)(R1+R2)(R₁ + α₁R₁ + R₂)(R₁ + R₂) です。 分子は、R1R2(1+α1)(R1+R2)−R1R2(R1+α1R1+R2)R₁ R₂ (1 + α₁)(R₁ + R₂) - R₁ R₂(R₁ + α₁R₁ + R₂) =R1R2[(1+α1)(R1+R2)−(R1+α1R1+R2)]= R₁ R₂ [(1 + α₁)(R₁ + R₂) - (R₁ + α₁R₁ + R₂)] =R1R2[R1+R2+α1R1+α1R2−R1−α1R1−R2]= R₁ R₂ [R₁ + R₂ + α₁R₁ + α₁R₂ - R₁ - α₁R₁ - R₂] =R1R2[α1R2]= R₁ R₂ [α₁R₂] =α1R1R22= α₁R₁R₂²

したがって、 r21−r20=α1R1R22(R1+α1R1+R2)(R1+R2)r₂₁ - r₂₀ = \frac{α₁R₁R₂²}{(R₁ + α₁R₁ + R₂)(R₁ + R₂)}

変化率 r21−r20r20\frac{r₂₁ - r₂₀}{r₂₀} は、 α1R1R22(R1+α1R1+R2)(R1+R2)R1R2R1+R2\frac{\frac{α₁R₁R₂²}{(R₁ + α₁R₁ + R₂)(R₁ + R₂)}}{\frac{R₁ R₂}{R₁ + R₂}} =α1R1R22(R1+α1R1+R2)(R1+R2)⋅R1+R2R1R2= \frac{α₁R₁R₂²}{(R₁ + α₁R₁ + R₂)(R₁ + R₂)} \cdot \frac{R₁ + R₂}{R₁ R₂} =α1R2R1+α1R1+R2= \frac{α₁R₂}{R₁ + α₁R₁ + R₂}

これを整理すると、 α1R2R1+R2+α1R1\frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₁}

となります。

この結果は選択肢(2)と一致します。

選択肢の検討

  • 選択肢(1): α1R1R2R1+R2+α12R1\frac{α₁R₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁²R₁} - 分子に R₁ が余分にあり、分母の α₁R₁ の係数が α₁²R₁ となっています。
  • 選択肢(2): α1R2R1+R2+α1R1\frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₁} - 正解です。
  • 選択肢(3): α1R1R1+R2+α1R1\frac{α₁R₁}{R₁ + R₂ + α₁R₁} - 分子に R₂ がありません。
  • 選択肢(4): α1R2R1+R2+α1R2\frac{α₁R₂}{R₁ + R₂ + α₁R₂} - 分母の α₁ の係数が R₁ ではなく R₂ となっています。
  • 選択肢(5): α1R1R1+R2+α1R2\frac{α₁R₁}{R₁ + R₂ + α₁R₂} - 分子に R₂ がなく、分母の α₁ の係数が R₁ ではなく R₂ となっています。

抵抗器 B の抵抗温度係数が 0 であるため、温度変化による影響は抵抗器 A のみに限られることが、選択肢の形に影響を与えています。

抵抗器 A と抵抗器 B が直列に接続され、20℃ から 21℃ へと温度が変化する様子を、抵抗値の式と並列抵抗の計算式を照らし合わせながら確認してみましょう。

参考リンク

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