第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問151
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令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問151 解説 問15(a) 問15

設問図

問15(a) ある需要端の負荷に対し, 水力発電所1か所と重油専焼火力発電所1か所によって電力を供給する場合において, 次の(a)及び(b)の問に答えよ。水力発電所の最大使用水量20m^3/s, 総落差200m, 損失水頭7m, 水車と発電機の総合効率85%, 年間の設備利用率60%としたとき, この発電所の年間発電電力量[GW・h]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 15
  2. 30
  3. 170 ✓ 正答
  4. 175
  5. 200

解説

水力発電所の年間発電電力量は、与えられた最大使用水量と有効落差から出力の基準値を算出し、年間を通じて稼働する割合を乗じることで、選択肢のうち170[GW・h]が導かれます。

水力発電のエネルギー変換と出力計算

水力発電所では、高い位置にある水が持つ位置エネルギーを、水車によって回転エネルギーへ、さらに発電機によって電気エネルギーへと変換します。このとき、発電所が出力できる電力 PP [kW] は、以下の水力発電の基本式で表されます。

P=9.8×Q×He×ηP = 9.8 \times Q \times H_e \times \eta

ここで、QQ [m3^3/s] は使用水量、HeH_e [m] は有効落差、η\eta は水車と発電機の総合効率を表します。有効落差 HeH_e は、総落差 HH から損失水頭 hlh_l を差し引いた値(He=H−hlH_e = H - h_l)です。この式は、水の位置エネルギーが電力へと変換される過程における損失と効率を考慮したものであり、発電所の規模を決定する最も基本的な関係式です。

年間発電電力量の算出

与えられた条件を上記の関係式に当てはめ、順を追って計算します。

  1. 有効落差の特定 総落差 200[m] から損失水頭 7[m] を差し引くと、有効落差 He=200−7=193H_e = 200 - 7 = 193 [m] となります。

  2. 発電所最大出力の算出 最大使用水量 20[m3^3/s]、有効落差 193[m]、総合効率 85%(0.85)を基本式に代入します。 P=9.8×20×193×0.85=32113.4P = 9.8 \times 20 \times 193 \times 0.85 = 32113.4 [kW]

  3. 年間発電電力量の算出 年間発電電力量は、最大出力に年間時間数(8760時間)と設備利用率(60% = 0.6)を乗じて求めます。 年間発電電力量 = 32113.4×8760×0.6=16877843232113.4 \times 8760 \times 0.6 = 168778432 [kW・h] 単位を変換すると、約 168.8 [GW・h] となり、最も近い値は 170 [GW・h] です。

最大使用水量や有効落差が変化した際に、出力 PP がどのように増減するかという関係を数値に重ねてみると、発電所の能力と利用率の結びつきが見えてきます。

参考リンク

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