令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問161 解説 問16(a) 問16(a)
問16(a) 図のような系統において, 昇圧用変圧器の容量は30 MV・A, 変圧比は11 kV/33 kV, 百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8 %, 計器用変流器(CT)の変流比は400 A/5 Aである。系統の点Fにおいて, 三相短絡事故が発生し, 1800 Aの短絡電流が流れたとき, ただし, CTの磁気飽和は考慮しないものとする。系統の基準容量を10 MV・Aとしたとき, 事故点Fから電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 5.6
- 9.7 ✓ 正答
- 12.3
- 29.2
- 37.0
解説
事故点Fにおける短絡電流1800 Aと基準容量10 MV・A、および系統電圧33 kVから短絡容量を算出することで、百分率インピーダンスが9.7 [%]と求められます。
百分率インピーダンスと短絡容量の関係
百分率インピーダンス(%Z)は、系統の短絡事故時の強さを表す指標の一つであり、基準容量に対する短絡容量の割合を百分率で示したものです。短絡容量とは、短絡事故が発生した瞬間に供給される皮相電力の最大値を指します。
この関係は以下の式で定義されます。
%Z = (基準容量 / 短絡容量) × 100
ここで、三相短絡事故における短絡容量 [MV・A] は、系統電圧を [kV]、短絡電流を [kA] とすると、以下の式で計算できます。
この式は、電力の基本単位である に基づいており、系統全体のインピーダンスが事故点から電源側をみた全インピーダンスとみなせる場合に適用可能です。
事故点Fにおける百分率インピーダンスの算出
提示された条件に基づき、以下の手順で値を算出します。
事故点Fにおける短絡容量 を求めます。 系統電圧 kV、短絡電流 A = 1.8 kA を代入します。 [MV・A]
系統の基準容量( MV・A)を基に、百分率インピーダンスを算出します。 先ほどの関係式に数値を代入します。 %Z = (10 / 102.85) × 100 [%]
この計算により、事故点から電源側をみた百分率インピーダンスの値は、約9.7 %となります。なお、変圧器自体の%Z(7.8 %)を基準換算する必要があるか迷う場面ですが、今回の問題では「事故点Fで発生した短絡電流」という「結果」が与えられているため、その結果から逆算する短絡容量法を用いるのが最も確実かつ直接的なアプローチです。
変圧器の二次側電圧33 kVと、事故時に流れた1800 Aという具体的な数値に注目して、全体の短絡容量を重ねてみると、系統のインピーダンスの大きさが浮かび上がってきます。