令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問151 解説 問15(a) 問15
問15(a) 抵抗R[Ω], 誘導性リアクタンスX[Ω]からなる平衡三相負荷(力率80%)に対称三相交流電源を接続した交流回路がある。図1のように, Y結線した平衡三相負荷に線間電圧210Vの三相電圧を加えたとき, 回路を流れる線電流Iは14/√3Aであった。負荷の誘導性リアクタンスX[Ω]の値として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 4
- 5
- 9 ✓ 正答
- 12
- 15
解説
Y結線における相電圧と線電流の関係からインピーダンスを算出し、力率を用いて抵抗成分とリアクタンス成分を分離することで、誘導性リアクタンスの値は9[Ω]となります。
三相交流回路におけるY結線の性質
平衡三相回路においてY結線(スター結線)を採用する場合、負荷の各相にかかる電圧(相電圧 )と、端子間に加わる電圧(線間電圧 )には という関係があります。一方、線路を流れる線電流 は、そのまま各相の負荷を流れる相電流 と等しくなり、 が成り立ちます。
負荷のインピーダンスを とすると、オームの法則により が成立します。また、抵抗 とリアクタンス を用いた直列回路のインピーダンスは と表され、力率 は と定義されます。この関係を用いることで、電流と電圧の情報から個別の回路定数を導き出すことが可能です。
インピーダンスとリアクタンスの算出
回路の条件から、以下の手順で値を特定します。
相電圧を算出する 線間電圧が 210[V] であるため、相電圧 は [V] となります。
一相あたりのインピーダンスを決定する Y結線では線電流がそのまま相電流となるため、相電流 [A] です。したがって、一相あたりのインピーダンス は以下の通りです。 [Ω]
抵抗成分とリアクタンス成分を分離する 力率 であることから、抵抗 は [Ω] となります。このインピーダンスと抵抗を用いて、三平方の定理より誘導性リアクタンス を求めます。 [Ω]
回路図に示された線間電圧 210[V] と線電流の値を、Y結線における相電圧および相電流の定義へ重ねてみると、一相分の回路インピーダンスが見えてきます。