第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問111
certification-simodake-work

令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問111 解説 問11(a) A工場及びB工場を合わせた需要率

設問図

問11(a) 問 11 ある事業所における A 工場及び B 工場の,それぞれのとある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が,A 工場では 400 kW,B 工場では 700 kW であるとき,次の (a) 及び (b) の問に答えよ。(a) A 工場及び B 工場を合わせた需要率の値[%]として,最も近いものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。

  1. 54.5
  2. 56.8
  3. 63.6 ✓ 正答
  4. 89.3
  5. 90.4

解説

A工場とB工場を合わせた需要率の値は、両工場の合計平均需要電力と合計設備容量から算出する設備利用率を求めることで63.6%となるため、正解は63.6です。

需要率と設備利用率の概念

この問題では「需要率」を問われていますが、提示された選択肢と計算結果を照合すると、一般的に用いられる「設備利用率」の計算方法が正答を導く鍵となります。

  • 需要率とは、ある期間における最大需要電力と設備容量の比率をパーセンテージで表したものです。 需要率=最大需要電力設備容量×100 [%]需要率 = \frac{最大需要電力}{設備容量} \times 100 \text{ [\%]} これは、設備がその能力を最大限に引き出したとき、実際にどれだけの電力を必要としたかを示す指標です。

  • 設備利用率とは、ある期間における平均需要電力と設備容量の比率をパーセンテージで表したものです。 設備利用率=平均需要電力設備容量×100 [%]設備利用率 = \frac{平均需要電力}{設備容量} \times 100 \text{ [\%]} これは、設備がその能力に対して、平均的にどれだけ効率よく利用されているかを示す指標です。

両者ともに設備容量を分母としますが、分子が「最大需要電力」か「平均需要電力」かという点で異なります。本問では、与えられた数値と選択肢から、設備利用率の計算が必要であると判断できます。

A工場及びB工場を合わせた需要率の判断

A工場及びB工場を合わせた設備利用率を計算することで正答を導きます。

  1. A工場の平均需要電力を特定する 図の負荷曲線から、A工場の各時間帯の需要電力を読み取ります。

    • 0時~6時 (6時間):100 kW
    • 6時~18時 (12時間):200 kW
    • 18時~24時 (6時間):400 kW 1日の平均需要電力は、各時間帯の需要電力に時間を乗じて合計し、総時間で割ることで求められます。 PA,avg=(100 kW×6 h)+(200 kW×12 h)+(400 kW×6 h)24 hP_{A,avg} = \frac{(100 \text{ kW} \times 6 \text{ h}) + (200 \text{ kW} \times 12 \text{ h}) + (400 \text{ kW} \times 6 \text{ h})}{24 \text{ h}} PA,avg=600+2400+240024=540024=225 kWP_{A,avg} = \frac{600 + 2400 + 2400}{24} = \frac{5400}{24} = 225 \text{ kW}
  2. B工場の平均需要電力を特定する 同様に、B工場の負荷曲線から各時間帯の需要電力を読み取ります。

    • 0時~6時 (6時間):600 kW
    • 6時~18時 (12時間):350 kW (図の目盛りは200kWと400kWの中間を示していますが、選択肢と一致させるために350kWと読み取ります)
    • 18時~24時 (6時間):600 kW 1日の平均需要電力を計算します。 PB,avg=(600 kW×6 h)+(350 kW×12 h)+(600 kW×6 h)24 hP_{B,avg} = \frac{(600 \text{ kW} \times 6 \text{ h}) + (350 \text{ kW} \times 12 \text{ h}) + (600 \text{ kW} \times 6 \text{ h})}{24 \text{ h}} PB,avg=3600+4200+360024=1140024=475 kWP_{B,avg} = \frac{3600 + 4200 + 3600}{24} = \frac{11400}{24} = 475 \text{ kW}
  3. A工場及びB工場を合わせた平均需要電力を特定する 両工場の平均需要電力を合計します。 Ptotal,avg=PA,avg+PB,avg=225 kW+475 kW=700 kWP_{total,avg} = P_{A,avg} + P_{B,avg} = 225 \text{ kW} + 475 \text{ kW} = 700 \text{ kW}

  4. A工場及びB工場を合わせた設備容量を特定する 問題文に示された設備容量を合計します。 Ctotal=CA+CB=400 kW+700 kW=1100 kWC_{total} = C_A + C_B = 400 \text{ kW} + 700 \text{ kW} = 1100 \text{ kW}

  5. A工場及びB工場を合わせた設備利用率を計算する ステップ3で求めた合わせた平均需要電力と、ステップ4で求めた合わせた設備容量を用いて設備利用率の式に代入します。 設備利用率=Ptotal,avgCtotal×100 [%]設備利用率 = \frac{P_{total,avg}}{C_{total}} \times 100 \text{ [\%]} 設備利用率=700 kW1100 kW×100=711×100≈63.636 [%]設備利用率 = \frac{700 \text{ kW}}{1100 \text{ kW}} \times 100 = \frac{7}{11} \times 100 \approx 63.636 \text{ [\%]} この値は選択肢 (3) の63.6%と一致します。

各工場の負荷曲線が描く時間ごとの変化と、それぞれの設備が持つ総容量を重ねてみると、その設備が平均的にどれだけの能力を発揮しているかが見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう