令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問60 解説 問6 問6
問6 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述である。高圧地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合において,次に該当する場合,地中電線相互の離隔距離を0m以上で施設することができるとされているが,その条件として不適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有する場合
- それぞれの地中電線が堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
- いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合
- 地中電線相互の間に危険を表示する埋設標識を設ける場合 ✓ 正答
- いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合
解説
高圧地中電線と特別高圧地中電線が接近又は交差する際に離隔距離を0m以上とできる条件には、地中電線そのものやその収容管に燃焼延焼を防ぐ措置が必要であり、埋設標識の設置は規定に含まれないため、選択肢(4)が不適切です。
地中電線相互の離隔に関する規定
電気設備技術基準の解釈第120条では、地中電線同士が近接・交差する場合の火災防止措置について定めています。万が一、一方の電線で短絡や地絡が発生して異常発熱が生じた際、その熱が隣接するもう一方の電線へ伝わり、延焼するのを防ぐことがこの規定の目的です。
この目的を果たすため、地中電線相互の離隔距離を短縮する(0m以上とする)ためには、以下のいずれかの措置を講じることが求められます。
- 電線自体が「自消性のある難燃性の被覆」を持つこと。
- 電線が「堅ろうな自消性のある難燃性の管」に収められていること。
- 電線自体が「不燃性の被覆」を持つこと。
- 電線が「堅ろうな不燃性の管」に収められていること。
これらは、物理的に熱の伝播を遮断し、延焼を食い止めるための措置です。
離隔距離緩和の判断ステップ
- 選択肢(1)、(2)を確認します。それぞれ「自消性のある難燃性の被覆」および「堅ろうな自消性のある難燃性の管」であり、難燃性により自己消火能力を確保しているため、離隔を縮める条件として認められます。
- 選択肢(3)、(5)を確認します。それぞれ「不燃性の被覆」および「堅ろうな不燃性の管」であり、これらは火災の発生源とならない高い防火性能を有しているため、同様に条件として認められます。
- 選択肢(4)を確認します。「危険を表示する埋設標識」は、工事中の損傷防止や保守管理を目的として設置されるものですが、地中電線相互の延焼を防ぐ防火上の措置ではないため、離隔距離を0m以上とするための直接的な根拠にはなりません。
地中電線の被覆材の性能と、周囲を囲う管の難燃・不燃性という二つの視点を重ねてみると、火災時の延焼防止というこの規定の真意が見えてきます。