令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問90 解説 問9 問9
問9 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における電動機の過負荷保護装置の施設に関する記述である。屋内に施設する電動機には,電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に(ア)これを阻止し,又はこれを警報する装置を設けること。ただし,次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。a)電動機を運転中,常時,(イ)が監視できる位置に施設する場合b)電動機の構造上又は負荷の性質上,その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合c)電動機が単相のものであって,その電源側電路に施設する(ウ)遮断器の定格電流が15A(エ)遮断器にあっては,20A以下の場合d)電動機の出力が(オ)kW以下の場合
- (1) 自動的に 取扱者 配線用 過電流 0.2
- (2) 遅滞なく 取扱者 配線用 過電流 2
- (3) 自動的に 取扱者 過電流 配線用 0.2 ✓ 正答
- (4) 遅滞なく 管理者 配線用 過電流 2
- (5) 自動的に 管理者 過電流 配線用 2
解説
電動機の過負荷保護装置は、過電流による巻線の焼損を防ぐため、自動的に阻止するか警報を発する装置が必要であり、除外規定として単相電動機における遮断器の種類と容量の組み合わせが適切であることから、正答は(3)となります。
電動機の過負荷保護の基本原則
電気設備技術基準の解釈第174条では、屋内に施設する電動機には、焼損の恐れがある過電流が生じた場合に、速やかにこれを検出し、電気的・機械的な被害を未然に防ぐための措置を求めています。この措置の核心は、人の判断を介さずとも危機を回避できる「自動的」な動作にあります。
除外規定の適用条件
すべての電動機に専用の保護装置を設置すると設備が過剰になる場合があるため、以下の条件を満たす場合は例外として保護装置の設置が免除されます。
- 常時監視: 電動機の運転状況を常時監視できる「取扱者」がその場にいる場合、異常の早期発見が可能なため、自動遮断装置を省略できます。
- 小容量・単相電動機: 構造的に簡素な単相電動機については、電源側の遮断器の種別と定格電流によって判断が分かれます。ここで重要なのは「過電流遮断器」と「配線用遮断器」の区分であり、単相の場合、過電流遮断器であれば15A、配線用遮断器であれば20Aが境界線となります。
- 小出力電動機: 電動機の出力が極めて小さい0.2kW以下の場合も、焼損のリスクや影響度が限定的であるため免除対象となります。
選択肢の判断手順
問題文の条件に当てはめて選択肢を絞り込みます。
- (ア)には、保護装置が果たすべき役割として「自動的に」が入ります。これは手動操作を前提としない安全上の基本要件です。
- (イ)には、監視を行う主体として「取扱者」が該当します。
- (ウ)(エ)の組み合わせを検討します。単相電動機の場合、「過電流遮断器の定格電流が15A」であり、「配線用遮断器にあっては20A以下」という規定がセットです。したがって(ウ)に「過電流」、(エ)に「配線用」を当てはめるのが正しい組み合わせです。
- (オ)には、小出力の境界値である「0.2」kWを適用します。これにより、すべての条件が整合する選択肢(3)が導かれます。
単相電動機における保護装置の省略条件と、遮断器の種類ごとの電流値の組み合わせに改めて目を向けると、基準の論理的な境界線が浮かび上がってきます。