第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問60
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問60 解説 問6 問6

設問図

問6 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。a) 電線は,次のいずれかのものであること。① 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径(ア)mm以上の硬銅線を使用する,高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線②(イ)用高圧絶縁電線③ ケーブルb) 電線が絶縁電線である場合は,がいし引き工事により施設すること。c) 電線の高さは,「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし,次に適合する場合は,地表上(ウ)m以上とすることができる。① 次の場合以外であること。・道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合② 電線がケーブル以外のものであるときは,その電線の(エ)に危険である旨の表示をすること。上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 5, 引下げ, 2.5, 下方
  2. (2) 4, 引下げ, 3.5, 近傍
  3. (3) 4, 引上げ, 2.5, 近傍
  4. (4) 5, 引下げ, 3.5, 下方 ✓ 正答
  5. (5) 5, 引上げ, 5, 下方

解説

電気設備技術基準の解釈第117条における高圧架空引込線の保安基準に基づき、電線の引張強さや径の要件、適切な電線の種類、周囲の環境に応じた地上高の緩和措置、および電線への接近を防ぐ危険表示の位置を照らし合わせると、アには5、イには引下げ、ウには3.5、エには下方が入り、選択肢(4)が正答となります。

高圧架空引込線の保安原則と解釈第117条の規定

電気設備技術基準の解釈第117条は、高圧の架空電線路から分岐して需要家の受電点に至る高圧架空引込線について、感電や地絡などの重大な電気事故を防止し、公衆の安全(保安)を確保するための具体的な技術要件を定めています。

高圧架空引込線は、通常の高圧架空電線路に比べて地面に近い高さまで配線が下りてくるため、人が容易に触れることのないように厳重な絶縁と強度設計が求められます。しかし、需要家設備への引き込みという物理的な制約から、どうしても電線の高さを低くせざるを得ない場合があります。

このため、技術基準の解釈では、道路や鉄道の横断といった事故リスクの高い場所を避けることを条件として、電線の地上高の緩和を認めています。この緩和を適用する場合、電線そのものの強度や種類の制限に加えて、歩行者等に対して頭上の高圧電線への注意を促すための表示など、多重の安全対策を講じることが義務付けられています。

高圧架空引込線の技術仕様と安全表示の適用

  1. 使用電線の最小直径と引張強度 高圧架空引込線は屋外に架渉されるため、風圧荷重や電線自重に耐える機械的強度が不可欠です。解釈第117条第1項第1号により、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線を使用する場合の強度は、引張強さ8.01kN以上、または直径5mm以上の硬銅線と定められています。これにより、アに当てはまる数値は5となります。

  2. 引込線に用いる絶縁電線の選定 高圧架空引込線に使用できる絶縁電線は、用途に合致した特別なものが指定されます。架空の幹線部分から需要家側の建物へ電線を引き下げるために製造された、引下げ用高圧絶縁電線がこれに該当します。この特性に基づき、イに当てはまる語句は引下げとなります。

  3. 通行が限定される場所での地上高の緩和 高圧架空電線の高さは原則として高い位置に維持する必要がありますが、道路・鉄道・軌道の横断や横断歩道橋の上を通過しない場合に限り、接触のリスクが低いと判断されて高さの制限が緩和されます。解釈第117条第1項第3号のただし書きにより、この条件を満たしていれば地表上の高さを3.5m(電線がケーブル以外の場合。ケーブルの場合は3m)まで低くすることができます。したがって、ウに当てはまる数値は3.5となります。

  4. 危険表示を配置する方向 地上高を3.5mまで緩和して施設する場合、地上を通行する歩行者が上部にある高圧電線に気づきやすくする必要があります。電線がケーブル以外の絶縁電線であるときは、地上からの見上げ視線で最も視認性が高い位置、すなわち電線の下側(下方)に危険表示を行うことが規定されています。この安全対策の配置から、エに当てはまる語句は下方となります。

電線が垂れ下がる引込部分の様子や、その下に立つ人物の視線と電線との位置関係を重ねてみると、地表からの距離や危険表示が必要とされる方向の合理性が見えてきます。

参考リンク

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