令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問182 解説 問18(b) 問18
問18(b) 図1は、トランジスタの(ア)に信号波の電圧を加えて振幅変調を行う回路の原理図である。電圧v1, v2, v3の波形を同時に計測したところ図2のいずれかであった。このとき、電圧v1の波形は(イ), v2の波形は(ウ), v3の波形は(エ)である。図2のグラフより振幅変調の変調率を計算すると約(オ)%となる。
- (1) コレクタ 図2(c) 図2(a) 図2(b) 33
- (2) コレクタ 図2(c) 図2(b) 図2(a) 67
- (3) ベース 図2(b) 図2(a) 図2(c) 50
- (4) エミッタ 図2(b) 図2(c) 図2(a) 67
- (5) ベース 図2(c) 図2(a) 図2(b) 33 ✓ 正答
解説
振幅変調とは、情報を伝達するための低周波な信号波を、高い周波数を持つ搬送波の振幅に乗せる方式であり、図1のベース接地増幅回路では、ベース端子に信号波を入力することで、コレクタ側の出力振幅を信号波の大きさに応じて変化させています。
振幅変調の基本原理
振幅変調(AM)は、一定の振幅を持つ搬送波の包絡線(振幅の輪郭)を、信号波の波形に合わせて変化させる技術です。トランジスタを用いた変調回路では、増幅器の利得や動作点を信号波で制御することで実現します。図1の回路において、各端子の役割と波形の対応を理解することが解析の鍵となります。
波形の特定と変調率の算出
図2に示す3つの波形と回路各部の関係を、以下の手順で特定します。
信号波の特定 図2(a)は、他の2つの波形と比較して周期が非常に長く、ゆったりと変化する波形です。これが変調の元となる音声などの情報信号である「信号波」に該当します。
搬送波と変調波の特定 図2(c)は振幅が一定で周波数が高い波形であり、これが情報の運び手となる「搬送波」です。一方、図2(b)は搬送波の振幅が信号波(a)の周期に合わせて変化しており、これが変調の結果得られた「変調波」となります。回路構成上、v1はベース端子へ入力される信号波(c)に対応し、v2は搬送波(a)に対応し、v3はコレクタから取り出される変調波(b)となります。
変調率の計算 振幅変調の変調率mは、搬送波の振幅に対する信号波の振幅の比率で表され、最大振幅をAmax、最小振幅をAminとすると、以下の式で計算できます。 図2(b)から、最大振幅Amaxは8V、最小振幅Aminは4Vと読み取れます。これを代入すると、 となります。
図2の波形図における振幅の広がりと、図1の回路各端子における電圧変化の連動を重ねてみると、変調の仕組みが見えてきます。