令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問10 解説 問1 問1
問1 次の文章は,「電気事業法」における,電気の使用制限等に関する記述である。(ア)は,電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし,公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは,その事態を克服するため必要な限度において,政令で定めるところにより,(イ)の限度,(ウ)の限度,用途若しくは使用を停止すべき(エ)を定めて,小売電気事業者,一般送配電事業者若しくは登録特定送配電事業者(以下「小売電気事業者等」という。)から電気の供給を受ける者に対し,小売電気事業者等の供給する電気の使用を制限すべきこと,又は(オ)電力の容量の限度を定めて,小売電気事業者等から電気の供給を受ける者に対し,小売電気事業者等からの(オ)を制限すべきことを命じ,又は勧告することができる。
- (1) 経済産業大臣 使用電力量 使用最大電力 区域 受電
- (2) 内閣総理大臣 供給電力量 供給最大電力 区域 送電
- (3) 経済産業大臣 供給電力量 供給最大電力 区域 送電
- (4) 内閣総理大臣 使用電力量 使用最大電力 日時 受電
- (5) 経済産業大臣 使用電力量 使用最大電力 日時 受電 ✓ 正答
解説
経済産業大臣が電気の需給調整のために行う「電気の使用の制限」に関する規定において、空欄は順に経済産業大臣、使用電力量、使用最大電力、日時、受電となります。
電気事業法第27条の権限と目的
電気事業法第27条は、電力需給が逼迫し、国民経済や国民生活に重大な支障をきたすおそれがある緊急事態において、経済産業大臣に非常に強力な権限を付与しています。これは、限られた電力資源を公平かつ効率的に分配し、社会機能の維持を図るための「需給調整」の最終手段としての規定です。
この規定において重要なのは、制限の対象が「小売電気事業者等から電気の供給を受ける者(需要家)」であり、手段として「使用」に関する制限を課す点です。電力の安定供給の責任は経済産業大臣にあり、供給側ではなく需要家側に対して、使用電力量や使用最大電力、使用する日時などを指定して協力を求める、あるいは強制力を伴う制限を行う仕組みとなっています。
条文の各項目に関する判断
電気事業法第27条の文言と照らし合わせながら、各空欄を特定します。
空欄(ア)について 電気事業法上の重要な権限は、エネルギー政策を管轄する経済産業大臣に帰属します。そのため、この制限を命じ、又は勧告することができる主体は経済産業大臣となります。
空欄(イ)、(ウ)について 制限の対象となる電気の指標として、消費する「使用電力量(kWh)」および「使用最大電力(kW)」が定められています。供給側が持つ「供給電力量」や「供給最大電力」ではなく、あくまで需要家が受け取る側の指標に焦点を当てています。
空欄(エ)について いつ制限を行うかを具体的に示すために、電気の使用を停止すべき「日時」が指定されます。「区域」という選択肢もありますが、条文上の文脈では具体的な制限実施のタイミングを特定する「日時」が適切です。
空欄(オ)について 需要家側に対する制限であるため、電力の受け取りに関する「受電」という言葉が用いられます。送電は一般送配電事業者などの供給側の行為であるため、需要家側の制限としては不適切です。
条文の文言と対比させながら、電気の使用を制限する主体、制限対象となる指標、そして制限の内容を重ねてみると、社会インフラを守るための制度設計の輪郭が見えてきます。
参考リンク
- 電気事業法 第27条の解説(電気保安協会) ※実務的な法の解釈や適用に関する解説サイトの例
- 電力需給逼迫時の対応と節電の実践(Qiita - 電気関連技術の活用) ※需要家が電力制限をどう受け止めるかに関する技術的考察の例
- 電気事業法(e-Gov法令検索) ※原文の正確な定義を確認できるページ