第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問121
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問121 解説 問12(a) 問12

設問図

問12(a) 「電気設備技術基準の解釈」に基づいて, 最大使用電圧が6.9 kVの電路に接続する, 導体断面積100 mm^2, 長さ800 mの高圧CVケーブル(単心)の絶縁耐力試験を交流で実施する場合について, 次の(a)及び(b)に答えよ。ただし, 周波数は50 Hz, ケーブルの対地静電容量は1 km当たり0.45 μFとする。ケーブルに試験電圧を印加した場合の充電電流[A]の値として, 最も近いのは次のうちどれか。

  1. 0.78
  2. 1.17 ✓ 正答
  3. 1.46
  4. 2.34
  5. 3.51

解説

ケーブルの充電電流は、試験電圧を最大使用電圧の1.5倍に設定し、求めた全静電容量に対してオームの法則および容量性リアクタンスの式を適用することで、1.17 Aと算出されます。

絶縁耐力試験と充電電流の仕組み

高圧ケーブルの絶縁耐力試験では、ケーブルの導体と金属遮へい層(接地)との間に電圧を印加します。このとき、ケーブルの導体と金属遮へい層の間には絶縁体が配置されているため、電気的にはコンデンサとして振る舞います。

交流電圧を印加すると、このコンデンサ成分である「対地静電容量」に交流電流が絶えず充放電されます。これが「充電電流」です。充電電流 II [A] は、角周波数 ω\omega [rad/s]、静電容量 CC [F]、印加電圧 VV [V] を用いて以下の式で表されます。

I=ωCV=2πfCVI = \omega C V = 2 \pi f C V

この式は、コンデンサに交流電圧をかけた際に流れる電流の大きさが、周波数と容量に比例することを示しています。

充電電流の算出手順

  1. 試験電圧を決定する 「電気設備技術基準の解釈」に基づき、最大使用電圧 6.96.9 kVの電路に対する絶縁耐力試験の電圧は、その1.5倍となります。 V=6.9 kV×1.5=10.35 kV=10350 VV = 6.9 \text{ kV} \times 1.5 = 10.35 \text{ kV} = 10350 \text{ V}

  2. ケーブルの全静電容量を算出する ケーブルの静電容量は長さに比例します。1 kmあたりの静電容量が 0.450.45 μ\muF であり、長さが 800800 m (0.80.8 km) であるため、全体の静電容量 CC は以下の通りです。 C=0.45 μF/km×0.8 km=0.36 μF=0.36×10−6 FC = 0.45 \text{ } \mu\text{F/km} \times 0.8 \text{ km} = 0.36 \text{ } \mu\text{F} = 0.36 \times 10^{-6} \text{ F}

  3. 充電電流を算出する 周波数 f=50f = 50 Hz を用いて、充電電流 II を計算します。 I=2×π×50×(0.36×10−6)×10350I = 2 \times \pi \times 50 \times (0.36 \times 10^{-6}) \times 10350 I≈314.16×0.36×10−6×10350I \approx 314.16 \times 0.36 \times 10^{-6} \times 10350 I≈1.171 AI \approx 1.171 \text{ A}

算出された約 1.171.17 A が、この試験においてケーブルに流れる充電電流となります。

試験回路における印加電圧 10.3510.35 kV と、ケーブルの静電容量 0.360.36 μ\muF という二つの要素を重ねてみると、絶縁体を通じて流れる電流の通り道が見えてきます。

参考リンク

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