令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問112 解説 問11(b) 問11
問11(b) 接地極及び接地抵抗測定について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。(b) 直読式接地抵抗計を用いて、接地抵抗を測定する場合、被測定接地極Eに対する、二つの補助接地極S(電圧用)及びH(電流用)の地表面配置として、最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) SとHをEから等距離に配置し、E-S-Hが三角形をなす配置
- (2) EとSとHを一直線上に配置し、E-S間とS-H間を等距離にする配置
- (3) EとHとSを一直線上に配置し、E-H間とH-S間を等距離にする配置
- (4) EとSとHを一直線上に配置し、E-S間とS-H間を等距離にする配置 ✓ 正答
- (5) EとSとHを一直線上に配置し、E-S間とS-H間を等距離にする配置
解説
直読式接地抵抗計を用いた接地抵抗測定において、被測定接地極Eから補助接地極Sを介して補助接地極Hまでを一直線上に配置し、かつE-S間距離とS-H間距離を等しくすることで、測定値の誤差を最小限に抑えられます。
電位降下法による接地抵抗測定の原理
接地抵抗を測定する一般的な手法として、電位降下法が用いられます。この方法は、接地極の周囲に電流が流れることで生じる電位の変化を利用するものです。
大地には接地極Eを通じて電流を流すための補助接地極H(電流用)を配置し、EとHの間に電流を流します。このとき、Eを基準とした周囲の電位分布は、EおよびHの極付近で急激に変化し、中間領域で平坦になる性質を持ちます。この電位が平坦になる場所で測定を行えば、補助接地極の位置変動による測定誤差を小さくできるため、正確な抵抗値を求めることが可能となります。
測定配置の条件
直読式接地抵抗計を正しく機能させるための配置条件は、以下のステップで整理できます。
- 接地極E、電圧用補助接地極S、電流用補助接地極Hの3点を一直線上に配置します。これは、電位分布がEとHの軸上で安定した特性を持つためです。
- 電圧用補助接地極Sを、EとHの中間地点付近に配置します。電位分布において、接地極Eから離れるほど電位が安定する「電位平坦部」が存在する場所を狙うためです。
- 距離条件として、EからSまでの距離を、SからHまでの距離と等しく取ります。これにより、SがEとHのほぼ中間に位置し、測定結果が安定します。
選択肢(4)は、この「E-S-Hを一直線上に配置し、E-S間=S-H間とする」という電位降下法の標準的な条件を過不足なく満たしています。一方で、配置を直線から外したり、等距離の条件を崩したりすると、電位の傾斜が急な場所を測定することになり、接触抵抗や土壌の不均一性の影響を強く受け、正確な値を読み取ることができません。
図に示された補助接地極の距離関係と、接地極Eを起点とした配置の直線を重ねてみると、正しい測定のための位置関係が見えてきます。