第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問131
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問131 解説 問13(a) 問13

設問図

問13(a) 図のように高圧架空電線と低圧架空電線を併架するA種鉄筋コンクリート柱がある。この電線路の引留箇所において下記の条件で支線を設けるものとする。(ア) 高圧電線間の離隔距離を2mとし、高圧電線の取り付け高さを10m、低圧電線と支線の取り付け高さをそれぞれ8mとする。(イ) 高圧電線の水平張力は9kN、低圧電線の水平張力は4kNとし、これらの全荷重を支線で支えるものとする。このとき、支線に生じる引張荷重[kN]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 13.0
  2. 15.3
  3. 19.1
  4. 25.4 ✓ 正答
  5. 38.1

解説

支線に生じる引張荷重は、電柱にかかる全水平荷重を支線の取り付け高さでモーメントの釣り合いとして算出し、さらにその水平荷重を支線の角度成分で分解することで、19.1kNと求められます。

モーメントの釣り合いと支線の役割

電柱などの構造物に水平方向の荷重がかかると、その構造物は倒壊しようとする回転力を受けます。この回転力に対抗するために支線が設置されます。ここで重要となるのがモーメントの概念です。

モーメントは「力」と「その力が働く点から回転の中心までの垂直距離」の積で表されます。電柱の根元(地面との接点)を回転の中心と考えると、高圧電線および低圧電線による水平方向の荷重は、それぞれ取り付け高さという距離を持ってモーメントを生じさせます。支線は、これら全ての荷重によって電柱が根元を軸に回転しようとする力を、支線の取り付け高さで効率的に受け止める役割を担います。

支線の引張荷重の計算

以下の手順で、支線に加わる具体的な張力を算出します。

  1. 電柱根元にかかる全モーメントを算出する 高圧電線の水平張力は9kNで高さ10mの地点に、低圧電線の水平張力は4kNで高さ8mの地点に加わっています。電柱の根元を回転の中心としたときの全モーメントは、9kN × 10m + 4kN × 8m = 90 + 32 = 122kN・m となります。

  2. 支線が負担すべき水平荷重を求める 支線がこの全モーメントを8mの高さで支えるとき、必要な水平方向の力(水平反力)を求めます。支線による水平荷重をFとすると、F × 8m = 122kN・m となるため、F = 122 / 8 = 15.25kN が導かれます。これが、支線が引張荷重として受け持つべき水平成分の大きさです。

  3. 支線の角度から実際の引張荷重を決定する 支線の地上からの水平距離が6m、取り付け高さが8mであるため、直角三角形の辺の比より、支線の長さ(斜辺)は √(8^2 + 6^2) = 10m となります。支線が地面となす角をθとすると、鉛直成分に対する斜辺の比 sinθ は 8 / 10 = 0.8 となります。支線の実際の引張荷重をTとすると、その水平成分は T × cosθ、鉛直成分は T × sinθ となりますが、ここでは水平荷重Fを支線が受け持っているため、T × (水平距離 / 斜辺) = F という関係式を用います。あるいは、支線の引張荷重の水平成分をT'とすれば、T' = 15.25kNであり、T = T' / cosθ です。ここで cosθ = 6 / 10 = 0.6 なので、T = 15.25 / 0.6 = 25.416...kNとなります。

※注:設問の選択肢(3)19.1kNは、誤って鉛直成分(sinθ=0.8)で除算した場合の値です。実際には水平張力を支えるために必要な成分を考慮するため、cosθで除算した約25.4kNが正しい引張荷重となります。

電柱の根元を回転軸に見立てて、それぞれの荷重が与えるモーメントの釣り合いを支線の取り付け高さに投影してみると、支線が必要とする力の向きと大きさが浮かび上がります。

参考リンク

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