令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問70 解説 問7 問7
問7 次の文章は,電気設備の技術基準の解釈に基づく国際規格の取り入れに関する記述である。需要場所に施設する低圧で使用する電気設備を,「電気設備技術基準の解釈」の第3条から第217条までの規定(以下「従来方式」という。)によらず,国際電気標準会議(IEC)60364規格の規定(以下「IEC関連規定」という。)により施設する場合は次により施設すること。a) IEC関連規定により施設する場合において,一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者の電気設備と直接に接続する場合は,これらの事業者の低圧の電気の供給に係る設備の(ア)の施設と整合がとれていること。b) 同一の電気使用場所においては,IEC関連規定と従来方式とを混用して低圧の電気設備を施設しないこと。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。この場合において,IEC関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備を同一の場所に施設するときは,表示等によりこれらの設備を識別できるものとすること。① 変圧器(IEC関連規定に基づき施設する設備と従来方式に基づき施設する設備が異なる変圧器に接続されている場合はそれぞれの変圧器)が(イ)高圧電路に接続されている場合において,当該変圧器の低圧回路に施す接地抵抗値が(ウ)Ω以下であるとき② 「電気設備技術基準の解釈」第18条第1項(工作物の金属体を利用した接地工事)の規定により,IEC関連規定に基づき施設する設備及び従来方式に基づき施設する設備の接地工事を施すとき上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 接地工事, 接地式, 0.2
- (2) 地絡保護, 接地式, 10
- (3) 接地工事, 非接地式, 0.2
- (4) 地絡保護, 非接地式, 2
- (5) 接地工事, 非接地式, 2 ✓ 正答
解説
本問は、国際電気標準会議(IEC)の規格に基づく設備と、従来の国内基準に基づく設備を混在させる際の例外的な条件を問うものであり、非接地式高圧電路に接続された変圧器の低圧回路において、2Ω以下の接地抵抗値を確保することで混用が認められるという規定に基づき、正答は(5)となります。
国際規格と国内基準の取り入れにおける整合性
電気設備の技術基準の解釈第3条の2では、IEC関連規定に基づき施設する設備と、従来方式(国内の技術基準)に基づく設備は、同一の場所で混用してはならないと定めています。これは、保護接地や過電流保護の考え方が根本的に異なるためです。
しかし、一定の安全条件が担保される場合に限り、この混用禁止の例外が認められます。特に高圧側からの混触を考慮した場合、接地抵抗の値が安全上の重要な境界となります。
接地工事と接地式の判断プロセス
(ア)については、一般送配電事業者等の設備と直接接続する場合、その事業者の設備の「接地工事」の施設と整合がとれている必要があります。これは、低圧側の接地がシステム全体として適切な電位を維持するための必須条件です。
(イ)及び(ウ)については、例外規定の適用条件を順にたどることで決定できます。
- 混用が許可される条件の一つに、変圧器が高圧電路に接続されている際の「非接地式」という系統構成があります。これは高圧側で地絡が発生しても、非接地であるために地絡電流が極めて小さく、低圧側への影響を抑制しやすいという特性を利用したものです。
- この非接地式高圧電路に接続された変圧器において、低圧回路に施す接地抵抗値は、従来方式との安全な併用を考慮して「2Ω以下」と定められています。
これらを組み合わせることで、(ア)には接地工事、(イ)には非接地式、(ウ)には2が当てはまることが導かれます。
接地工事の方式と、高圧回路側の結線方式の関係性に注目してみると、なぜ特定の抵抗値が求められるのかという安全の要点が見えてきます。