第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問161
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令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問161 解説 問16(a) 問16

設問図

問16(a) 三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6600V、末端にある負荷の端子電圧が6450V、力率が遅れの70%であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、電線1線当たりの抵抗は0.5Ω/km、リアクタンスは0.4Ω/km、線路のこう長は5kmとする。また、送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。この負荷に供給される電力W1[kW]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 369
  2. 180
  3. 123
  4. 213 ✓ 正答
  5. 240

解説

送電端電圧と受電端電圧の差である電圧降下が、線路のインピーダンスと負荷電流の相互作用によって生じ、その電流値を用いて三相電力の式に代入することで、負荷電力は213kWと算出されます。

配電線路における電圧降下の近似式

三相3線式送電線において、送電端電圧(Vs)と受電端電圧(Vr)の間に生じる電圧降下(ΔV)は、送電端電圧と受電端電圧の相差角が小さい場合、次の近似式で表されます。

ΔV = Vs - Vr = I(R cosθ + X sinθ)

ここで、Iは線路を流れる電流[A]、Rは線路抵抗[Ω]、Xは線路リアクタンス[Ω]、cosθは受電端の力率です。この式は、線路のインピーダンスによる電圧降下が、抵抗成分での電圧降下(I R cosθ)とリアクタンス成分での電圧降下(I X sinθ)の和として近似できることを示しています。この電圧降下の値がわかれば、配電線路に流れる電流Iを逆算することが可能です。

負荷電力の算出手順

以下の手順で各数値を整理し、電力を求めます。

  1. 線路定数を算出する。電線1線当たりの抵抗0.5Ω/km、リアクタンス0.4Ω/km、距離5kmより、線路全体の抵抗R = 0.5 × 5 = 2.5[Ω]、リアクタンスX = 0.4 × 5 = 2.0[Ω]となります。
  2. 電圧降下の大きさを特定する。送電端線間電圧6600V、受電端線間電圧6450Vであり、一相あたりの電圧降下は(6600 - 6450) / √3 = 150 / √3[V]となります。
  3. 線路電流を求める。力率 cosθ = 0.7 より sinθ = √(1 - 0.7^2) ≒ 0.7141 です。近似式 150 / √3 = I(2.5 × 0.7 + 2.0 × 0.7141) に数値を代入すると、150 / √3 = I(1.75 + 1.4282) = I(3.1782) となり、I ≒ 86.60 / 3.1782 ≒ 27.24[A] となります。
  4. 三相負荷電力を算出する。三相電力の式 P = √3 × Vr × I × cosθ に、Vr = 6450[V]、I ≒ 27.24[A]、cosθ = 0.7 を代入します。P = √3 × 6450 × 27.24 × 0.7 ≒ 213,000[W] = 213[kW] と決定されます。

送電端と受電端の電位差と、線路定数および力率の関係を重ねてみると、電流が負荷へと流れる仕組みが見えてきます。

参考リンク

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