令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問151 解説 問15(a) 問15
問15(a) 図のように線間電圧200V, 周波数50Hzの対称三相交流電源にRLC負荷が接続されている。R=10Ω, 電源角周波数をω[rad/s]として, ωL=20Ω, 1/(ωC)=20Ωである。電源電流I[A]の値として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 5.77
- 7.00
- 11.5 ✓ 正答
- 14.0
- 22.5
解説
電源電流が11.5[A]となるのは、各相に接続されたRLC並列回路において、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが互いに打ち消し合い、負荷が純抵抗として振る舞うことで、相電圧に対して同相の電流のみが流れるためです。
三相交流回路における負荷の取り扱い
三相交流回路では、負荷がスター(Y)結線あるいはデルタ(Δ)結線されている場合、各相の電圧と電流の関係を個別に考えることができます。本問のように対称三相電源に平衡負荷が接続されている場合、一相分を取り出して計算し、その結果を全体に適用するのが基本です。
ここで重要な考え方がオームの法則の交流回路への拡張です。電圧、電流、インピーダンスの関係はで表されますが、並列接続された回路では、インピーダンスの逆数であるアドミタンスを用いて計算するほうが簡便です。アドミタンスは、コンダクタンス(抵抗の逆数)とサセプタンス(リアクタンスの逆数)を用いて、と定義されます。
平衡三相回路の計算手順
一相あたりの電圧を特定します。線間電圧がであるため、Y結線における相電圧は、線間電圧をで割った値、となります。
各相の並列回路のアドミタンスを求めます。抵抗、誘導性リアクタンス、容量性リアクタンスが並列に接続されているため、アドミタンスは以下の式で表されます。 この式に数値を代入すると、となり、回路全体としてサセプタンス成分が打ち消し合い、純抵抗のみの回路として計算できます。
一相に流れる電流を算出します。オームの法則より、となり、先ほどの値を代入すると、と求まります。この電流は、Y結線における電源電流と等しいため、結果としてが導かれます。
各相のリアクタンスが互いに作用する様子と、電源から流れ出る電流の経路を重ねてみると、回路全体で打ち消し合うエネルギーの動きが見えてきます。