令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問112 解説 問11(b) 問11
問11(b)
有効落差90m,最大使用水量が渇水量(1年のうち355日は確保できる水量)の2倍,水車及び発電機の総合効率80%の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量Q[m^3/s]が図のような年間流量曲線(日数dが90日以上の部分は,Q=-0.05d+25.5で表される。)であるとき、この発電所の設備利用率[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、水の密度を1000kg/m^3,重力加速度を9.8m/s^2とする。
- 50.0
- 63.0
- 69.5
- 75.9
- 88.0 ✓ 正答
解説
有効落差、総合効率、最大使用水量から求めた最大出力と、年間流量曲線に基づいて算出される年間発電電力量を比較することで、設備利用率88.0%が導かれます。
水力発電所の出力と設備利用率
水力発電所の出力 P [W] は、水の密度 ρ [kg/m3]、重力加速度 g [m/s2]、有効落差 H [m]、流量 Q [m3/s]、総合効率 η を用いて、次のエネルギー変換の法則により表されます。
P=9.8⋅Q⋅H⋅η
ここで、P の単位は [W] です。kW単位で表す場合は 10−3 を乗じ、MW単位で表す場合は 10−6 を乗じます。
発電所の設備利用率とは、一定期間(ここでは年間)の実際の発電電力量が、その期間中ずっと最大出力で運転し続けた場合に得られる電力量に対して、どの程度の割合であるかを示す指標です。
設備利用率 [%] = 最大出力 [MW]×8760 [h]年間発電電力量 [MW・h]×100
最大出力と発電電力量の算出
最大使用水量の特定
問題文より、渇水量(355日確保できる水量)の2倍が最大使用水量です。年間流量曲線の d=355 のときの流量を求めます。グラフ上の直線は d=90 のとき Q=21 であり、式 Q=−0.05d+25.5 が与えられています。これに d=355 を代入すると、Q=−0.05×355+25.5=−17.75+25.5=7.75 [m3/s] となります。したがって、最大使用水量は 7.75×2=15.5 [m3/s] です。
最大出力の計算
求めた最大使用水量 15.5 [m3/s] を用いて、最大出力 Pmax [MW] を算出します。
Pmax=9.8×15.5×90×0.8×10−3≈10.9332 [MW]
年間発電電力量の整理
小問(a)の結果である年間発電電力量 84.3 [GW・h] は、単位を合わせると 84300 [MW・h] です。
設備利用率の導出
定義式に数値を代入します。
設備利用率 = 10.9332×876084300×100≈95774.884300×100≈88.0 [%]
流量の変化を示す曲線と、最大出力の定義を重ねてみると、設備が一年間を通じてどの程度有効に活用されているかが見えてきます。
参考リンク
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