第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 / 各問題解説 / 問90
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令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問90 解説 問9 問9

設問図

問9 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。a) ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は,ダクトの内部断面積の(ア)%以下であること。ただし,電光サイン装置,出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路,遠方操作回路,遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は,(イ)%以下とすることができる。b) ダクト相互は,堅ろうに,かつ,(ウ)に完全に接続すること。c) ダクトを造営材に取り付ける場合は,ダクトの支持点間の距離を3m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において,垂直に取り付ける場合は,6m)以下とし,堅ろうに取り付けること。d) 低圧屋内配線の(エ)電圧が300V以下の場合は,ダクトには,D種接地工事を施すこと。e) 低圧屋内配線の(エ)電圧が300Vを超える場合は,ダクトには,C種接地工事を施すこと。ただし,(オ)防護措置(金属製のものであって,防護措置を施すダクトと(ウ)に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) (ア)20 (イ)50 (ウ)電気的 (エ)使用 (オ)接触 ✓ 正答
  2. (2) (ア)32 (イ)48 (ウ)電気的 (エ)対地 (オ)簡易接触
  3. (3) (ア)32 (イ)48 (ウ)機械的 (エ)使用 (オ)接触
  4. (4) (ア)32 (イ)48 (ウ)機械的 (エ)使用 (オ)簡易接触
  5. (5) (ア)20 (イ)50 (ウ)電気的 (エ)対地 (オ)簡易接触

解説

絶縁電線の断面積の総和制限、ダクト相互の電気的接続、使用電圧に応じた接地工事の規定に基づき、各空欄には(ア)20、(イ)50、(ウ)電気的、(エ)使用、(オ)接触が当てはまります。

金属ダクト工事における占有率と接続の原則

電気設備技術基準の解釈第159条では、金属ダクト工事について、配線が過熱しないための占有率制限と、故障電流を安全に流すための接続条件が定められています。

金属ダクトは鋼板などを箱状に加工したもので、内部に電線を収容して保護する役割を持ちます。ダクト内に電線を詰め込みすぎると放熱が妨げられ、絶縁被覆の劣化を招く恐れがあるため、内部断面積に対する電線(絶縁被覆を含む)の断面積の総和には上限が設けられています。

また、金属ダクト自体が故障時に帯電した場合、人体への感電を防ぐために接地工事が必要です。このとき、ダクトの各部が機械的に繋がっているだけでは、もし区間ごとに電位差が生じると適切な保護ができません。ダクト相互を「電気的」に完全に接続することで、金属体全体を等電位に保ち、接地抵抗を下げて故障電流が確実に大地へ流れる経路を確保します。

接地工事の判断基準と防護措置

接地工事の種類は、その回路の危険度を示す使用電圧によって決定されます。

  1. 使用電圧による接地種別の区分 電気設備が故障して金属製の外箱に電圧がかかった場合、高電圧ほど感電の危険が高まります。そのため、一般的に使用電圧が300V以下の場合はD種接地工事、300Vを超える場合はより低い接地抵抗値が求められるC種接地工事を行うことが義務付けられています。

  2. 防護措置による緩和 300Vを超える場合にC種接地工事が必要な理由は、万が一の漏電時に人体が接触することで大きな電流が流れることを防ぐためです。しかし、そもそも人が容易に触れられない場所にある場合や、適切な絶縁保護がなされている場合には、危険性が低減されると判断されます。「接触防護措置」とは、金属製のものに人が容易に触れないようにする措置を指し、これが適切に施されていれば、安全が担保されるためC種からD種への緩和が認められます。

空欄の判断プロセス

  1. 占有率の算出 金属ダクトに収める電線の断面積総和は、原則として内部断面積の20%以下とする必要があります。ただし、信号回路や制御回路のような、電流容量が小さく発熱が少ない配線のみを収める場合には、50%以下まで許容されます。

  2. 接続状態の確保 金属ダクト相互の接続は、機械的な強固さだけでなく、電気的な連続性を維持しなければなりません。したがって、空欄(ウ)には「電気的」が入ります。

  3. 接地工事の適用条件 低圧屋内配線の「使用」電圧が300V以下か、あるいは300Vを超えるかによって、必要な接地工事が区別されます。300Vを超える場合にD種接地工事を適用するための緩和条件として、適切な「接触」防護措置の実施が規定されています。

ダクトの内部断面積に対する電線の収まり具合と、接地工事の種別を一つずつ順に辿ってみると、安全を守るための基準の形が見えてきます。

参考リンク

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