第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問80
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令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問80 解説 問8 問8

設問図

問8 次の文章は, 太陽光発電設備におけるパワーコンディショナに関する記述である。近年, 住宅に太陽光発電設備が設置され, 低圧配電線に連系されることが増えてきた。連系のためには, 太陽電池と配電線との間にパワーコンディショナが設置される。パワーコンディショナは (ア) と系統連系用保護装置とが一体になった装置である。パワーコンディショナは, 連系中の配電線で事故が生じた場合に, 太陽光発電設備が (イ) 状態を継続しないように, これを検出して太陽光発電設備を系統から切り離す機能をもっている。パワーコンディショナには, (イ) の検出のために, 電圧位相や (ウ) の急変などを常時監視する機能が組み込まれている。ただし, 配電線側で発生する (エ) に対しては, 系統からの不要な切り離しをしないよう対策がとられている。上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 逆変換装置 自立運転 発電電力 停電
  2. (2) 逆変換装置 単独運転 発電電力 瞬時電圧低下
  3. (3) 逆変換装置 単独運転 周波数 瞬時電圧低下 ✓ 正答
  4. (4) 整流装置 自立運転 発電電力 停電
  5. (5) 整流装置 単独運転 周波数 停電

解説

パワーコンディショナは太陽電池が発電する直流を交流に変換する逆変換装置であり、系統事故発生時に単独運転状態を防止するため、周波数等の変化を監視しつつ、瞬時電圧低下時には不要な切り離しを避ける保護機能を有することから、正答は(3)となります。

パワーコンディショナの役割と系統連系

太陽光発電設備を電力系統(配電線)に接続(連系)する場合、太陽電池が出力する直流電力を、系統の電圧や周波数に合わせた交流電力に変換する必要があります。この変換を行う装置がパワーコンディショナであり、単なる変換だけでなく、系統と発電設備の連携を維持または遮断するための保護機能が一体化されています。

単独運転とその検出

電力系統で事故が発生し、本来の電源から切り離されたにもかかわらず、太陽光発電設備などが近隣の負荷へ向けて電気を供給し続ける現象を単独運転と呼びます。単独運転は、系統側の復旧作業や保護協調を妨げる危険があるため、パワーコンディショナは速やかにこれを検出し、系統から切り離さなければなりません。

この検出には、受動的方式と呼ばれる監視手法が用いられます。電力系統と発電設備が切り離されると、負荷と発電量のバランスが崩れ、電圧の位相や周波数が急激に変動する性質があります。パワーコンディショナはこれらを常時監視し、系統の異常をいち早く察知します。

一方で、雷や短絡事故に伴う瞬時電圧低下のように、系統側ですぐに回復する一時的な現象に対してまで太陽光発電設備を切り離してしまうと、電力品質の低下や供給不足を招きます。そのため、瞬時電圧低下に対しては、発電設備を直ちに切り離すのではなく、一定時間系統に接続し続けることで、系統安定化に寄与する対策(低電圧ライドスルー機能など)が求められています。

判断の進め方

  1. 太陽電池の直流電力を交流に変換する装置であることから、(ア)には逆変換装置が入ります。
  2. 系統事故時に発電設備が系統から切り離された後も電気を供給し続けてしまう危険な現象を指すため、(イ)には単独運転が入ります。
  3. 単独運転を検出するために監視する代表的な物理量として、電圧位相とともに(ウ)には周波数が入ります。
  4. 系統側で発生する一時的な故障である瞬時電圧低下時に、誤って発電設備を切り離さないための配慮が必要であることから、(エ)には瞬時電圧低下が入ります。

文章中のパワーコンディショナが監視する電圧位相や周波数の値と、実際の配電線で起こり得る瞬時電圧低下の波形を重ねてみると、安全かつ安定した電力供給のために求められる保護の境界線が見えてきます。

参考リンク

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