令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問90 解説 問9 問9
問9
ある変圧器の負荷率100%における全負荷効率は98%である。この変圧器の負荷率80%における全負荷効率[%]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 78.4
- 81.6
- 97.5 ✓ 正答
- 98.4
- 99.6
解説
変圧器の負荷率100%時の効率を基準に、負荷率80%における損失の減少分を差し引くことで、効率97.5%が導かれます。
変圧器の効率と損失の関係
変圧器の効率 η は、出力 P2 と損失(鉄損 Pi および銅損 Pc)を用いて以下の式で表されます。
η=P2+Pi+PcP2×100[%]
ここで、変圧器の損失には以下の性質があります。
- 鉄損 Pi: 電圧が一定であれば負荷に関わらず一定の値をとる損失です。
- 銅損 Pc: 電流の2乗に比例するため、負荷率 m のとき m2Pc となります。
定格出力 Pn に対して負荷率 m のときの効率は、出力が mPn となるため次のように書けます。
ηm=mPn+Pi+m2PcmPn×100[%]
効率の計算ステップ
負荷率100%(m=1.0)の条件から損失の合計を特定します。
効率98%(0.98)であるため、以下の関係が成り立ちます。
0.98=Pn+Pi+PcPn
これを整理すると、Pi+Pc=0.981−0.98Pn≈0.0204Pn となります。一般に、変圧器の設計では全負荷効率が非常に高いため、全負荷時の鉄損と銅損はほぼ等しい(Pi=Pc)と仮定して計算を進めるのが標準的です。これにより、2Pi=0.0204Pn より Pi=Pc=0.0102Pn となります。
負荷率80%(m=0.8)における損失を計算します。
鉄損は一定なので 0.0102Pn です。銅損は電流の2乗に比例するため、0.82×Pc=0.64×0.0102Pn=0.006528Pn となります。
負荷率80%時の効率を算出します。
出力は 0.8Pn です。
η0.8=0.8Pn+0.0102Pn+0.006528Pn0.8Pn=0.8167280.8≈0.9795
選択肢の中で最も近い値は97.5%となります。損失の変動と出力の変化を重ねてみると、負荷率の低下に伴い鉄損の影響が相対的に大きくなる様子が見えてきます。
参考リンク
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