令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問100 解説 問10 問10
問10 図のような直流チョッパがある。直流電源電圧E=400V, 平滑リアクトルL=1mH, 負荷抵抗R=10Ω, スイッチSの動作周波数f=10kHz, 通流率d=0.6で回路が定常状態になっている。Dはダイオードである。このとき負荷抵抗に流れる電流の平均値[A]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 40.0
- 24.0 ✓ 正答
- 16.0
- 3.8
- 2.5
解説
負荷抵抗に加わる平均電圧は電源電圧の60%に相当する240Vとなり、この電圧が抵抗10Ωに印加されることで24.0Aの電流が流れるため、正答は24.0となります。
降圧チョッパ回路の動作と平均出力電圧
本問のような回路は、スイッチのオン・オフを繰り返すことで直流電圧を制御する降圧チョッパです。この回路では、スイッチSがオンの期間には電源から負荷へ電流が供給され、オフの期間には平滑リアクトルLに蓄えられたエネルギーがダイオードDを通じて負荷に供給されます。
この動作において重要となるのが平均出力電圧の考え方です。スイッチの周期に対するオン時間の割合を通流率(デューティ比)dと呼ぶと、出力側の平均電圧V_oは、入力電圧Eを用いて次の式で表されます。
この関係は、回路が定常状態にあり、リアクトルによる平滑作用によって出力電圧が一定に保たれている場合に成立します。出力電流の平均値I_oは、オームの法則に基づき、この平均電圧V_oを負荷抵抗Rで除することで求められます。
電流の平均値算出ステップ
- 出力側の平均電圧V_oを算出します。電源電圧E=400V、通流率d=0.6より、 [V] となります。
- 算出した平均電圧を負荷抵抗Rで除し、負荷電流の平均値I_oを求めます。 [A] が得られます。
この計算過程では、スイッチング周波数fやインダクタンスLの値は、出力電圧の平均値や電流の平均値を算出する上では直接関与しません。これらは電流のリップル(変動幅)を決める要素となりますが、本問のように定常状態における平均値を求める際には、電源電圧と通流率の積がそのまま負荷に印加される平均電圧として機能することに着目します。
電源電圧Eと通流率dの関係を回路図のスイッチSの開閉サイクルに重ねてみると、負荷抵抗Rの両端に生じる平均的な電位差の姿が見えてきます。